非食料品店の約3割が2年以内に閉店と予想
(オランダ)
欧州ロシアCIS課
2020年08月03日
オランダのリテールアジェンダ(注1)は7月21日、新型コロナウイルスが食料品以外の小売業界に与える影響について、調査レポートを発表した(注2)。調査結果の主なポイントは以下のとおり。
- 調査結果によると、非食料品店の25~30%は今後2年以内に閉店することが推察される。店舗空室率は現在の7%から2021年には19%まで上昇すると試算されている。
- 外出自粛制限措置(関連ブラック ジャック カード)により、消費者の店舗での買い物の頻度は3月のコロナウイルス感染拡大前に比べて30%減少。居住区域内の店舗で購入する傾向が高まっている。分野別の売上高についても、外出の機会が減ったことからファッション関係は大幅に減少した一方で、自宅で過ごす時間の増加に伴いガーデニングセンターや家電量販店、スーパーマーケットが増加した。
- 非食料品店への3月から6月までの来客数は、販売商品や地域によって3月のコロナウイルス感染拡大前に比べて35~80%の減少を記録した。特に、大都市やその中心部の小売店に大きな打撃を与え、収益を維持するためには30~40%の賃貸料を引き下げる必要があると分析している。
- 実店舗への訪問とオンラインショッピングのどちらが好ましいかという設問に対し、オンラインを選んだ回答者の割合は3月のコロナウイルス感染拡大前の16%から35%に増加した。全ての年齢層で利用率は増加し、55歳以上の年配層の伸び率が最も高かった。アフターコロナにおいても、オンラインショッピングの需要は続くと見込まれている。
食料品を除く小売店の業界団体INretailのジェネラルマネージャーを務めるヤン・メーアマン氏は、同調査結果に衝撃を受けたとし、実店舗を運営する小売店に対して、ノベルティやクーポンの配布、オンラインでのプロモーション活動を行うことで顧客に来店するきっかけをつくり、顧客と良好な関係を構築するよう呼び掛けた。
なお、オランダ中央統計局(CBS)によれば、2020年3~5月のオンラインショップの売上高は、3月が前年同月比32.2%増、4月は68.9%増、5月は49.5%増と成長を続けている。実店舗とオンライン販売の両方の事業を展開しているマルチチャンネルの売上高は、3月が40.1%増、4月が91.1%増、5月が64.8%増だった。
(注1)小売業の振興を目的として、経済・気候政策省が2015年に設置した団体。
(注2)4,400の消費者、29のチェーンストアのCEO(最高経営責任者)、約644(うち、34の事業主にはインタビューを実施)の中小小売業者、109の不動産関係者、64の自治体が調査に参加。
(山根夏実)
(オランダ)
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