在ベトナム日系企業の65パーセントが売り上げ減、新型コロナによる事業展開への影響調査

(ベトナム)

ハノイ発

2020年07月09日

ベトナム日本商工会議所(JCCI)、ホーチミン日本商工会議所(JCCH)、ダナン日本商工会議所(JCCID)とジェトロは「新型コロナウイルス後の事業展開に関する緊急アンケート調査」を実施した。調査はJCCIとJCCH 、JCCIDの会員1,974社を対象に、6月18日から24日にウェブアンケート形式で行い、631社から回答があった(有効回答率32.0%)。

1~6月の売り上げについて、65%の企業が前年同期と比較し「減少」と回答した。「増加」と回答した企業は13%だった。売り上げの増減幅は「変化なし」(20%)を除くと、「前年同期比21~30%減」が20%と最も多く、次いで「同11~20%減」(18%)となった(添付資料図1参照)。

マイナスの影響、「渡航制限・入国制限」が最多

新型コロナウイルスによる全般的な影響について、「影響なし」と回答した企業は3%、「わからない」は1%にとどまり、96%の企業が「影響あり」と回答した。具体的なマイナスの影響として、「渡航制限・入国制限」(89%)が最も回答が多く、約9割の企業が影響を受けていることが明らかになった(添付資料図2参照)。

また、「ベトナム国内での移動制限」(65%)、「国内市場の低迷」(57%)、「カジノ 無料市場(輸出)の低迷」(56%)が影響したとの回答も5割を超えた一方、「政府・当局の指示による操業・営業の制限」や「自社の資金繰りの悪化」などは、6割以上の企業が「影響なし」と回答した。

影響の度合いが大きかった(「極めて大きな影響」と回答した割合が高い)項目は、「渡航制限・入国制限」(33%)に次いで、「カジノ 無料市場(輸出)の低迷」(18%)となった。ジェトロが実施した「2019年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」によると、在ベトナム進出日系企業の売上高に占める輸出の比率は53.1%と輸出型の企業が多い。ベトナムでは新型コロナウイルスの影響を受けた世界的な需要減によって、貿易面への影響が顕在化しており(2020年6月29日記事参照)、今後のカジノ 無料市場の動向次第でベトナムの日系企業に与える影響も変わってくる可能性がある。

(上田弘大、小川士文)

(ベトナム)

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