国際線の運航と小巡礼を除いた経済・社会活動を再開
(サウジアラビア)
リヤド発
2020年06月22日
サウジアラビア内務省は6月20日、5月26日に既に発表していた内容に従い(2020年5月27日記事参照)、6月21日午前6時から既存の外出禁止令を解除するとともに、国際線の運航と小巡礼(ウムラ)を除いた経済・社会活動を再開する旨を発表した〔6月20日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。
ソーシャルディスタンスが確保しにくいとして、5月31日以降も閉鎖されていた美容院・サロン、フィットネスクラブ、映画館などの業種も、予防措置を講じることで再開が認められた(具体的な予防措置の詳細は保健省ウェブサイトに掲載)。一方で、引き続き50人以上の集会・会合は禁止されるとともに、外出時のマスク着用が義務付けられ、違反者への罰則規定は継続される。
また、人材・社会発展省は同日、21日からの政府機関の出勤人数を職員の最大75%とし、引き続き時差通勤を取り入れた柔軟な働き方を許可すると発表している(6月20日付SPA)。
5月31日に在宅勤務の解除など経済・社会活動が再開されたことで、首都リヤド市内も交通量や外出量が次第に増えつつあるものの、6月に入り第2波ともとれる勢いで連日3,000~4,000人規模で新規感染者が増加しており、感染者数の減少が見られないまま経済活動の再開に踏み切った格好だ。これまで政府がコントロールしてきた感染拡大予防策について、事業者や個々人が自覚的に意識すべき必要性が高まっている。
(柴田美穂)
(サウジアラビア)
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