外出規制を段階的に解除へ
(サウジアラビア)
リヤド発
2020年05月27日
サウジアラビアでは、ラマダン(断食)期間中(4月24日~5月22日)の特別措置として外出制限を一部緩和させてきたが(関連オンライン ブラック ジャック)、5月23~27日までの5日間は、例外となる業種を除いて全土で24時間の完全ロックダウンが続いており、異例のイード(ラマダン明け)休暇となった。
政府が感染者の早期発見のため連日積極的なPCR検査を実施していることもあり、新規感染者数は1日当たり2,000人規模で推移しているが、他方、内務省は5月26日に、28日以降の段階的な外出規制緩和措置を発表した。マッカを除いては6月21日から外出禁止措置が全面解除される。
主な緩和措置は以下のとおり(見直しの可能性あり)。
(1)5月28日~5月30日〔5月26日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕
- マッカを除き、午前6時から午後3時までの外出を許可。
- 上記時間帯および自家用車に限り州間の移動を許可。
- 以前より緩和されている小売り、卸売り、モールの営業を許可。
- ソーシャルディスタンスが保ちにくい美容サロン、フィットネスクラブ、レクレーションセンター、映画館は引き続き閉鎖。
(2)5月31日~6月20日(5月26日付SPA)
- マッカを除き、午前6時から午後8時までの外出を許可。
- マッカ市内を除いて、金曜礼拝を含むモスク内での礼拝を許可。
- 省庁・各政府機関、民間セクターの在宅勤務を解除。
- 国内線の運航停止を解除。
- 州間の移動を完全に許可。
- (1)で言及のあった業種を除き、外出可能時間帯での経済活動を許可。
- レストラン、カフェ内でのオーダーを許可。
- 結婚式、葬式など50人以上の集会は禁止。
(3)6月21日以降(5月26日付SPA)
- 引き続き感染拡大予防策を最大限に講じつつ、マッカを除いて外出禁止措置を解除。外出禁止以前と同様の活動を行うことが可能。
(4)マッカについては、5月31日から6月20日まで(1)の内容を継続し、21日以降は(2)の内容を継続。
なお、引き続き国際線の運航は一時停止措置が取られるとともに、聖地への巡礼の一時停止措置も継続となっている。ラマダン期間中の行動規制緩和などもあってか、当初は新規感染者の80%程度を外国人労働者が占めていたが、5月26日時点では45%をサウジアラビア人が占めるなど、感染拡大の様子も変化してきている。
(柴田美穂)
(サウジアラビア)
ビジネス短信 0ecc813d972a00b0