政府機関再開のガイドライン発表、民間企業の出勤制限緩和も

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年05月29日

サウジアラビアでは、5月31日から省庁・各政府機関、民間セクターの在宅勤務が解除されることとなったが(2020年5月27日記事参照)、それに合わせるかたちでアル・ラージヒー人材開発・社会発展相は27日、3月18日以降禁止していた民間企業の本社での勤務の解除を発表した〔5月27日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。この中で、企業は出勤人数を最低限に抑えるとともに、職場内での新型コロナウイルス感染拡大防止策を講じることが求められている。

民間企業よりも一足早い3月16日から物理的な出勤を一時停止していた省庁・各政府機関の業務再開に向けたガイドラインも発表した(5月27日付SPA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

主な項目は以下のとおりで、出勤人数を段階的に増やしていくとともに、時差通勤も導入された。

(1)5月31日以降、職場への復帰人数は少なくとも全職員の50%とし、残りは在宅勤務を継続。

(2)6月7日以降、職場への復帰人数は同75%とする。

(3)6月14日以降、全職員が職場へ復帰する。

(4)職員の出勤時刻については柔軟に対応することとし、以下の3グループ分ける。

  1. 午前7時半勤務開始
  2. 午前8時半勤務開始
  3. 午前9時半勤務開始

(5)6月18日までの間、政府の対外サービスの提供はオンラインのみとする。

サウジアラビアでは、新規感染者数が1,815人(5月27日時点、うち首都リヤドは739人)と引き続き高い水準で推移している中での社会活動再開の決定となった。折しも隣国のアラブ首長国連邦(UAE)とバハレーン、クウェートが相次いで段階的に外出制限や在宅勤務の解除を決定している。経済と感染拡大状況をてんびんにかけた上での判断だが、各職場では感染拡大防止策が重くのしかかる。

政府機関の一時閉鎖期間中に居住証(イカーマ)の更新期限が切れる外国人に対しては、無料の3カ月間の期限延長措置(通常は有料)などの措置も取ってきたが、2カ月半ぶりの政府の対外サービス開始直後は混乱も予想される。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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