南ア大統領、6月1日からの警戒レベル引き下げを発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年05月27日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は5月24日、国民演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて6月1日から全土の警戒レベルを3に引き下げると発表した。3月27日からナショナル・ロックダウンが開始された南アでは、5月1日に全土の警戒レベルが最大の5から4に引き下げられ(関連ブラック ジャック サイト)、さらにラマポーザ大統領は5月13日に行った国民演説において、警戒レベルの再度の引き下げへの道筋を発表していた(関連ブラック ジャック トランプ)。

ラマポーザ大統領は、専門家の事前の予測どおり国内の感染状況は今後さらに加速・悪化していくとの見方を示した上で、社会全体、ひとりひとりの行動が感染者・死者を減らすことができると国民へのさらなる協力を呼びかけた。その上で、感染レベルや、伝染の速度、医療キャパシティなどの様々な基準を勘案し、全土を対象としたレベルの引き下げを内閣が協議の上決定したと述べた。大統領はレベル3への引き下げにより、全ての製造業に加え、鉱業、建設、金融サービス、小売などの完全再開が可能になるほか、アルコール販売の制限緩和、夜間の外出禁止の解除、学校の一部再開などが行われる予定だとした。

他方で、たばこ販売は健康被害の懸念から依然販売禁止となるほか、宿泊業と国内旅客便の運航(出張を除く)や、集会(50人以下の葬儀または職場でのミーティング除く)、コンファレンス、スポーツイベントなどの禁止は継続するとした。大統領はレベル3への移行により、さらに約800万人が職場に復帰することになると述べた。レベル3で可能となる活動の詳細は追って各担当省庁から発表される見込みだ。

一方で、ラマポーザ大統領は、人口10万人当たり5人以上の感染が確認される地域を「ホットスポット」と定義し、これにあてはまるヨハネスブルクやケープタウンなどの大都市や一部地域では異なる感染拡大防止策を講じる予定だとした。また、感染拡大の状況によっては再び警戒レベルを4以上に引き上げる可能性にも触れた。5月24日時点で南ア国内の感染者数は累計2万2,583人(検体数約58万件以上)。このうち、ケープタウンを中心とする西ケープ州単独で全体の65.3%を占め感染拡大の中心になっており、ラマポーザ大統領は演説中にも強い警戒感を示した。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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