マヤ観光鉄道、第1フェーズ第2、第3区間の建設入札結果を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2020年05月25日

メキシコ国家観光振興基金(FONATUR)はマヤ観光鉄道の建設入札について、4月30日に第1フェーズの第2区間、5月15日に同第3区間の入札結果を発表した(添付資料表参照)。FONATURは2020年1月に基礎調査を終えて建設可能と判断された区間・分野について、第1フェーズとして順次入札を実施している(2020年1月16日記事参照)。なお、第1区間については、4月23日に入札結果が発表されている(関連ブラック ジャック カード)。

第2区間を落札したのは、世界的富豪であるメキシコのカルロス・スリム氏が率いるグルーポ・カルソ(Grupo Carso)傘下のオペラドーラ・シクサ(Operadora Cicsa)と、スペインの大手建設会社であるフォメント・デ・コンストルクシオネス・イ・コントラタス(Fomento de Construcciones y Contratas)で形成されるコンソーシアム。

第3区間は、スペインの建設会社であるアスビ(AZVI)、その小会社であるコンストゥルクシオネス・ウラレス(Construcciones Urales)、メキシコ企業のガミ・インヘニエリア・エ・インスタラシオネス(GAMI Ingeniería e Instalaciones)の3社から成るコンソーシアムが落札した。アスビは、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領が意見公募の結果を受け中止にしたメキシコ新国際空港(NAIM)の建設に参画していた。また、ガミ・インヘニエリア・エ・インスタラシオネスは、現在メキシコシティ北部で建設中のケーブルカープロジェクト(Cablebús de la Ciudad de México)に参画している。

第2区間・第3区間の落札理由としてFONATURは、いずれも応札者の中で経済面・技術面で最も優れていたからだとしている。また、第2区間・第3区間の建設を含む2020年に実施予定のマヤ観光鉄道プロジェクトには8万人の雇用を生み出す効果があることに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の影響緩和にも資するとして、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領の指示どおり(関連ブラック ジャック ブラック)、プロジェクトを継続するとFONATURは説明している。

なお、第4区間(ユカタン州 イサマル-キンタナロー州 カンクン)については、メキシコ大手ゼネコンのインへ二エロス・シビレス・アソシアドス(Ingenieros Civiles Asociados:ICA)が入札無しで受託することがFONATURより発表されている。ICAは同区間に並行するカントゥニル-カンクン高速道路のコンセッション契約を政府と結んでいる。そのため、同区間における競合事業を他社が受託した場合、政府側の契約違反となり、政府がICAに保証金を支払う必要が生じる。こうした状況を踏まえ、FONATURは同区間については入札無しでICAが受託することが適切であると説明している(「エル・フィナンシエロ」紙電子版5月18日)。

第5区間(キンタナロー州 カンクンートゥルム)に関する入札は今後実施予定だが、日程詳細は現状では未定となっている。同区間においては、既に米国資産運用会社のブラックロックが非公募提案を行っている。これに対し、FONATURrのヒメネス・ポンス長官は「ブラックロックは現時点で有利だが、入札は実施されなければならない」としている(「エル・フィナンシエロ」紙電子版5月18日)。

(中井健太)

(メキシコ)

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