公共の場でのマスクなどの着用を新たに義務化
(ポーランド)
ワルシャワ発
2020年04月16日
ポーランド政府は4月9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、外出時の新たな制限と3月31日に発表された既存の外出制限(関連ブラック ジャック トランプ)などの適用期限を発表した。主な内容は以下のとおり。
(1)追加された義務:4月16日から、公共の場所ではマスクやスカーフ、ハンカチなどで口と鼻を覆う義務が生じる。この義務は路上や店舗などにいるとき、さらに職場にいるときも適用される(適用期限は定められていない)。
(2)各種措置の適用期限:4月19日まで、以下の制限を引き続き適用する。
- 移動の制限:歩行者間の距離を最低2メートル確保する必要がある。この制限は家族にも適用される。
- 18歳未満の者は成人の監督なしでの外出禁止
- 宗教的行事への参加人数の制限〔教会など宗教施設に同時に滞在できる人数は5人まで〕
- ショッピングモールなどの営業制限:店舗内の滞留人数を店舗にあるレジの数の3倍までに制限。大規模商業施設の週末営業の禁止、午前10時~正午は65歳以上の人のみ買い物可能。
- 各種車両の乗車制限:公共交通機関と10人分以上の座席がある各種車両は、座席数の半分を乗客数の上限とする。
- 美容院、化粧品店など全ての美容施設の閉鎖〔訪問美容も含む〕
- 公園やビーチなどでの滞在禁止、レンタル自転車などの利用制限
- レストランの営業制限:持ち帰りと宅配サービスのみ。
- 店舗、郵便局の利用者数の制限:店内の滞留人数を店舗にあるレジの数の3倍までに制限。郵便局の場合は受付窓口数の2倍の人数まで。
- 文化施設〔映画館、劇場など〕の閉鎖。
- 4月26日まで、保育園、幼稚園、学校の閉鎖を継続する。国際鉄道と旅客航空の停止も同日まで継続。
- 5月3日まで、入国制限と入国者の隔離措置を継続。
- 追って通知があるまで、大規模なイベントや集会を制限。
ポーランドでは3月初旬に新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、急速に感染が拡大した。それに伴い外出制限などの感染拡大防止策が次々と出され、ポーランドに住む人はもちろんのこと、日系企業を含めた在ポーランド企業も大きな影響を受けている。
ポーランド政府は企業支援の一環として「危機防止シールドパッケージ」を発表し、GDPの約10%に当たる2,120億ズロチ(約5兆5,120億円、1ズロチ=約26円)を拠出することとしている(関連ブラック ジャック ブラック)。イースター休暇後、この支援策の修正案が上院で審議され、政府による追加支援が導入される見込み。
さらに、マテウシュ・モラビエツキ首相は4月8日、「危機防止シールドパッケージ」の一部として、企業の雇用維持などのために1,000億ズロチを拠出することを発表している。この措置は「財政の盾」と呼ばれており、現在、欧州委員会の承認待ちの状態だ。
(楢橋広基、ニーナ・ルッベ・ルビニスカ)
(ポーランド)
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