アルゼンチン、4月12日まで外出禁止を延長、労組は解雇や休職を禁じるよう政府に求める
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年04月01日
アルベルト・フェルナンデス大統領は3月29日の記者会見で、3月20日から導入している公衆衛生上の緊急事態による外出禁止令(関連ブラック ジャック web)を、4月12日まで延長すると発表した。29日時点で、新型コロナウイルス感染者数は820人、うち死者20人。フェルナンデス大統領は、国内の疫学者や全国24州の州知事と会談を行った後、これまでの措置による一定の成果が見られており、同装置を継続すべきとの判断に至ったとしている。また、僅かな外出禁止令違反者はいるものの(3月21日からの逮捕者数は約1万3,500人)、アルゼンチン国民の90%は自宅待機の義務を果たしていると報告した。
一部の州知事は、企業からの訴えに基づき、外出禁止令の緩和を求めていたものの、フェルナンデス大統領は、「経済は回復することができるが、死から戻ることはできない」と要求に反対したと政府関係者は語っている。また、27日に1,450人の労働者を解雇したと発表した鉄鋼・建設大手のテチントグループに対しては、自身のツイッターやラジオ番組のインタビューを通じて、解雇を強く批判した。同グループは、外出禁止令によって、ブエノスアイレス州、トゥクマン州、ネウケン州などでの建設事業が停止となったため止むを得ない判断だったと説明している。
民間企業による解雇措置が大幅に増加する可能性を恐れる労働総同盟(CGT)は、政府に対し、民間部門における解雇や休職扱いを禁じるよう求めている。具体的には、アルゼンチン労働契約法(LCT、法律20744号)の第221条(不可抗力による場合、75日間の休職扱いが可能)および第247条(不可抗力によって、雇用主に責任がないと理由づけられた場合、従業員の解雇に対する退職金の支払は半分と認める)の一時停止を要求しており、政府側も検討中だと伝えられている。
3月26日付「エル・クロニスタ」紙によれば、現地調査会社が行ったアンケート(3月24~25日に実施、全国の成人886人が対象)によれば、国民が現在最も懸念している事柄では、「新型コロナウイルスが経済にもたらす影響」が76%、「インフレ」が64%、「ウイルスへの感染」が63%と、経済に関する先行き不安の割合が最も高い。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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