アルゼンチン、3月31日までの外出禁止を発表
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年03月24日
アルベルト・フェルナンデス大統領は3月19日の記者会見で、外出禁止令を発令すると発表した。これにより、20日0時~31日24時までの間、原則外出が禁止される。20日時点で、新型コロナウイルス感染者数は128人(前日比31人増)となり、「アルゼンチン国民の健康を最優先した判断」だと理解を求めた。
今回の外出禁止令は公衆衛生上の緊急事態に関する必要緊急大統領令(DNU)297/2020号として発表された。主な内容は次のとおり。
- 外出禁止期間は3月20日0時~31日24時まで。状況に応じて延長することもできる。
- 4月2日の国民の祝日を3月31日に変更。30日も休日(ブリッジホリデー)とする。
- 商店(薬局、スーパーマーケットなど)は営業。国民は近隣での買い物目的の外出は可能。ATMも利用可能。
- 車両による移動は制限される。一部物流は例外。
- 治安機関が外出者への尋問を行うことがある。違反と見なされた場合は刑事罰の対象。(アルゼンチン刑法第205条〔感染病の拡大を防止する目的で管轄当局が導入した関連措置に反した場合、懲役6カ月から2年〕、第239条〔当局関係者の指示に従わない場合、懲役15日から1年〕)
- 外出禁止令の対象外として、連邦・州・地方公務員、政府高官、衛生・治安・軍関係者、司法関係者、外交官、報道関係者、食品・医療・石油・農牧水産・通信・デジタルサービス産業従事者、先延ばしが不可の貿易取引関係者、基礎公共サービス(水道、電気、ガス、通信など)のメンテナンスと緊急対応、公共交通機関、貨物・石油・燃料・LPG、食料・医薬品・必需品のデリバリーサービス、クリーニングサービス、清掃・警備サービス、郵便サービス、ATMサービスが該当。
- 外出禁止期間中、民間セクターの労働者の通常収入は保たれる。
記者会見に先立ち、フェルナンデス大統領は各州知事と協議を行い、記者会見には野党に所属するオラシオ・ロドリゲス・ラレッタ・ブエノスアイレス市長を同席させるなど、超党派で挑む姿勢を強調した。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン)
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