2月の新車販売台数、タール火山噴火の1月と比較し25.6%増
(フィリピン)
マニラ発
2020年03月30日
フィリピンの2月の新車販売台数が前月比で25.6%増加した。3月11日の「ビジネスワールド」など地元各紙が報じた。
2月のフィリピン自動車工業会(CAMPI)所属企業の新車販売台数は2万9,790台となり、2万6,327台だった前年同月から13.2%増加し、1月12日に噴火活動が活発になったマニラ近郊のタール火山の影響から前年同月比で11.8%減少した1月の2万3,723台から25.6%増加した。なお、2月の新車販売台数のうち、商用車が前年同月比21.5%増の2万1,697台、乗用車が4.5%減の8,093台となり、構成比はそれぞれ73%、27%となった。
タール火山が位置するカラバルゾン地方には日系を含む多くの四輪完成車メーカーが工場を構えていることから、1月12日の噴火以降、通常の生産活動に戻すまで時間を要したメーカーもあった影響で、1月の新車販売台数は落ち込んでいた。2月は新型コロナウイルスの影響から、フィリピン政府が2月2日付で中国全土からのフィリピン入国を制限する措置を発表(新型肺炎、中国国外で初の死者、カード)、10日には、国内で多くの出席者を集めて実施するイベントの開催自粛を求める文書を発行するなど、政府による経済活動の抑制につながる政策が打ち出されたが、3月5日に4例目の感染事例が確認されるまで約1カ月間新しい感染事例がなかったことから経済活動は停滞せず、2月の新車販売台数は前年比や前月比でも増加した。CAMPIのロメル・グティエレズ会長は、2月に入って噴火の影響は薄れると予測していたものの、2月に2桁成長を記録したことは産業界としても考えていなかったとした。
メーカー別でみると、首位はトヨタ・モーターズ・フィリピンズ・コーポレーションが1万2,283台(前年同月比32.5%増)となり、全体の41.2%を占めた。2位は三菱モーターズ・フィリピンズ・コーポレーションで5,579台(前年同月比10.4%増、シェア18.7%)、3位は日産フィリピンズ・インクで3,941台(11.9%増、13.2%)、4位はホンダ・カーズ・フィリピンズで1,890台(24.2%減、6.3%)となった。ホンダ・カーズ・フィリピンズは2月22日、フィリピンでの四輪完成車生産を3月で終了するとウェブサイト上で発表している(ホンダが四輪車工場閉鎖へ、アジア大洋州ブラック)。
(坂田和仁)
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