ホンダが四輪車工場閉鎖へ、アジア大洋州ブラック ジャック ストラテジーの生産体制見直し

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月10日

本田技研工業(本社:東京都港区)と現地法人ホンダ・カーズ・フィリピン・インコーポレーテッド(HCPI)は2月22日、フィリピンでの四輪完成車生産を3月で終了するとそれぞれのウェブサイト上で発表した。

本田技研工業とHCPIは、終了の理由として、フィリピンの顧客ニーズに合った商品を適正な価格で提供するには、効率的な資源配分と投入が必要であり、アジア・大洋州ブラック ジャック ストラテジーにおける適正な生産体制を検討した結果とした。HCPIは今後、同ブラック ジャック ストラテジーを中心とするリソースを活用した供給により、フィリピンでの四輪車販売とアフターセールス事業を継続する。

HCPIは1990年11月に設立、1992年2月に生産を開始し、小型セダン車「City」と小型スポーツ多目的車(SUV)「BR-V」などを生産していたが、2018年1月1日付でフィリピン政府が自動車物品税を増税し、業界全体の新車販売台数は前年比で15.3%減少。HCPIの2018年の新車販売台数も2万3,294台で前年比27%減となっていた。増税の影響は2019年に入っても残り、加えて、2019年の経済成長率が5.9%と8年ぶりの低成長だったことなども響き、HCPIの2019年の新車販売台数は2万338台で前年比13%減少した。

HCPIの現在の従業員は約650人、資本金は19億ペソ(約38億円、1ペソ=約2円)、出資比率は本田技研工業が74.2%、アヤラ財閥傘下のACインダストリアルテクノロジー・ホールディングスが12.9%、ユーチェンコ財閥傘下のリサール商業銀行(RCBC)が同じく12.9%。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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