隔離・自宅待機従業員の賃金コスト補助プログラムを閣議決定
(チェコ)
プラハ発
2020年03月25日
チェコ政府は3月19日、臨時閣議で新型コロナウイルス対策として新たな企業支援プログラムを決定した。これは、政府の新型コロナウイルス感染拡大防止措置に基づき、(1)従業員が自宅隔離状態にある場合、あるいは(2)政府の感染防止措置により企業の営業が不可能となった場合、従業員の賃金コストの一部を国が負担することを定めたもの。(1)に関しては平均賃金の60%、(2)については80%が雇用者に対して提供される。ただし、当該企業が従業員に対して、(1)の場合は平均賃金の60%、後者の場合は100%を支給することが条件とされている。
対象となるのは3月1日以降の賃金で、労働・社会福祉省は、国家負担額が総計12億コルナになると予想している。
このほか政府は、コロナウイルス損失補助用無利子融資プログラム()に関して、予算額(融資総額)の100億コルナ(約440億円、1コルナ=約4.4円)への引き上げも決定した。
国内では自動車メーカー、シュコダ・オートが3月18日から、トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル(TPCA)が3月19日からすでに生産を休止しており、経済への深刻な影響が懸念されている。3月19日には、現代チェコ(ヒュンダイ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ)も、3月23日から4月6日まで生産を休止すると発表した。これにより国内乗用車生産全てが停止する。
ボヘミア・モラビア労働組合連合のヨゼフ・ストシェドゥラ議長は19日、コロナウイルス危機が3カ月続いた場合、GDPは前年比で5~8%減少し、短期的には40万~45万人の雇用に影響する恐れがあると警告、政府は企業、個人事業主に対する支援策を早急に講じて、経済機能を持続させていく必要があると述べた。
同議長はまた、米国政府がすでに2兆ドルを超える景気刺激策を検討していると言及し、これをチェコの経済規模に比例させた場合、3,000億コルナ(約1兆3,200億円)以上となるとして、支援策は不十分であると訴えている。
(中川圭子)
(チェコ)
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