チェコ内閣、中小企業を対象に、コロナウイルス損失補助用無利子融資の提供を決定
(チェコ)
プラハ発
2020年03月13日
チェコ内閣は3月9日、新型コロナウイルス感染拡大とその予防措置により経済活動が制限された国内企業を対象に、無利子で融資を行うことを決定した。申請受付は、4月1日に開始される。当面の事業遂行に必要な資金を提供することを目的としたもので、新型コロナウイルス拡大防止措置が直接原因となって、契約履行の遅延、あるいは契約の停止・破棄による損失を被った企業を支援する。
融資は国営チェコ・モラビア保証開発銀行を介してなされる。1件あたりの融資額は50万コルナから1,500万コルナ(230万~6,900万円 1コルナ=約4.6円)の範囲で、返済期間は2年(1年間の延長も可能)。融資手続きの上で、手数料は一切発生しない。予算(融資総額)は、現在のところ6億コルナが準備されている。
カレル・ハブリーチェック産業貿易相は、「支援はタイムリーに提供されなければならない。内閣は今回の支援プログラムを異例のスピードで承認することができた」として、融資プログラムの早期可決に満足の意を表明した。同相は同時に、この他にも支援策が検討されていることに言及し、「地方開発相、企業団体とともに、ツアーのキャンセルで多大な損害を被っている旅行業者への支援に関して、代表者と協議を行っているところである」と述べた。
チェコ商工会議所は、企業への影響緩和策として、無利子融資のほか社員が在宅隔離の対象となっている企業を対象とした諸税、保険料の雇用者負担分の支払期限の延期などの支援策を政府に提案するとしている。
同会議所は、労働力人口の10%が14日の隔離あるいは同様の措置の対象となった場合、国の損失額は235億コルナ(GDPの0.4%)におよぶと分析している。
(中川圭子)
(チェコ)
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