モスクワ市、感染拡大を懸念し、50人以上が集うイベント禁止、教育機関を閉鎖

(ロシア、欧州)

モスクワ発

2020年03月17日

モスクワ市政府は3月16日、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐため、野外・屋内を問わず1度に50人以上が参加する、文化・スポーツ・展示・娯楽・教育分野のイベントの開催を4月10まで禁止するなどの措置を含む市長令(2020年3月16日付モスクワ市長令第21-UM号)を発表した。3月10日に発表した大規模イベント開催制限措置(2020年3月13日記事参照)を強化するかたち。

今回の市長令では、上述のイベント開催制限のほか、既に導入している感染流行地域から到着した市民に対する14日間の自宅経過観察措置(モスクワ市、ブラック ジャック)の対象国を拡大。すべての欧州諸国(EU加盟・非加盟問わず、トルコは対象外)、ウクライナ、ベラルーシを経過観察措置の対象国に追加した。

また、モスクワ市内のすべての公立の学校、スポーツ教育機関、高等教育機関は3月21日から4月12日までの間、閉鎖される。ただし、保護者の要望に応じて、低学年を対象に12人以下の小規模での授業の継続は許可される。

セルゲイ・ソビャニン市長は自身の公式サイトにて3月16日に「モスクワにおけるCOVID-19の感染率はまだ低いものの、先週末で20人以上が感染し、一定の感染拡大の動きがあり、当該市長令を導入した」と述べた。

連邦消費者権利保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)によると、3月16日に新たに30人のCOVID-19感染が発覚し、うちモスクワ市20人、サンクトペテルブルク市3人、モスクワ州1人、サマラ州3人、キーロフ州1人、ペルミ地方1人、コミ共和国1人だった。これにより、3月16日時点のロシア国内の感染者数は93名に達した。

大手インターネット会社のヤンデックスは、ロスポトレブナドゾルと米国のジョンズ・ホプキンス大学からのブラック ジャック サイトを基に、ロシアと世界各国におけるCOVID-19感染者数マップ(ロシア語のみ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開している。同マップによると、3月16日時点で、モスクワ市の感染者数は45人、サンクトペテルブルク市は同8人。サンクトペテルブルク市では3月16日より、市内の診療所での無料のCOVID-19検査の受付を開始した。

(戎佑一郎)

(ロシア、欧州)

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