サンクトペテルブルク市などでも大規模イベントの開催禁止が決定

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2020年03月16日

サンクトペテルブルク市政府とレニングラード州政府は3月13日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に大規模イベントの開催禁止などの措置を決定した。サンクトペテルブルク市は1,000人以上、レニングラード州は300人以上のイベントが対象となる。両政府が公式ウェブサイトで発表した。

サンクトペテルブルク市政府は2020年3月13日付サンクトペテルブルク市決定第121号で各種措置の導入を決定、発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると3月16日から4月30日までの期間、同市内で1,000人以上が参加する劇場・文化公演やスポーツなど各種興行の開催を禁止する。併せて市内のロシア国籍者に対し、ロシア国外への旅行・各種大規模イベントなどへの参加自粛、所定の国(注)から帰国後14日間の自宅待機・往診検査の受診などの推奨が盛り込まれた。市内企業への推奨内容としては、従業員の外国出張および外国人が参加するイベントの開催・参加の自粛、ならびにイベントや会議の遠隔開催などが明記された。

レニングラード州政府は、300人以上が参加するイベントを2020年3月15日以降に禁止する。公式ウェブサイトで発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。終了期間の明記はない。その他の内容はサンクトペテルブルク市政府の決定に準ずるとみられる。

この決定を受けて地元では対応が進む。サンクトペテルブルクのマリンスキー劇場は活動に制限が加わり演目などが変更される可能性があることを発表した(3月13日同劇場公式ウェブサイト)。エルミタージュ美術館は、各種対策を踏まえて「閉館予定はない」としているが、訪問前に公式サイトなどで最新21 トランプを入手するよう呼び掛けている(3月13日同美術館公式ウェブサイト)。サンクトペテルブルク国立大学では、学内で予定されていた全イベントの中止を決めたほか、一部の学部校舎で検温が行われているもようだ(「コメルサント」紙3月14日)。

一方、新型コロナウイルスを原因としたビジネスイベントの延期決定は既に始まっていた。2020年6月に開催予定だったサンクトペテルブルク国際経済フォーラムは、既に2021年への延期が決定している。またフィンランド・ロシア商工会議所がサンクトペテルブルクで4月に開催予定だったフィンランド・ビジネスフォーラムは10月に延期される(「フォンタンカ・ルー」3月12日)。

なお、サンクトペテルブルク市およびレニングラード州の発表に先立つ3月10日、モスクワ市内は5,000人以上の大規模イベントの開催を禁止する市長令を発表していた(2020年3月13日記事参照)。

(注)本決定に明記されている国は、中国、韓国、イタリア、イラン、フランス、ドイツ、スペイン。

(一瀬友太)

(ロシア)

ビジネス短信 59e16601235a2481