チェコ中銀、新型コロナウイルス感染拡大対策に着手、政策金利を0.5ポイント引き下げ1.75%に

(チェコ)

プラハ発

2020年03月18日

チェコ国立銀行(中銀)は3月16日、臨時の金融政策会議を行い、新型コロナウイルスの企業、個人事業者、家計への影響に鑑み、翌17日付で、政策金利を0.5ポイント引き下げ、1.75%とすることを決定した。同時にロンバートレート(債権担保貸付金利)およびディスカウントレート(割引率)も0.5ポイント引き下げ、それぞれ2.75%、0.75%とした。

中銀はまた、国内銀行に対し、状況が改善するまでは、配当支払いなど、各銀行の脆弱(ぜいじゃく)性を高める恐れのある行為をひかえるよう呼び掛けた。

会議後の記者会見で、イジー・ルスノク中銀総裁は、景気の大幅後退は必至と断言し、「今後1年から1年半でゼロ成長となるか、マイナス成長となるかは現段階で明言できないが、日が経つごとに後者の可能性が高くなりつつある」と述べた。

中銀は、今後も経済状況により必要と判断されたときには、金利引き下げを実施していくと発表しており、3月26日に実施が予定されている次回定例会議では、さらなる引き下げが決定される可能性もある。

新型コロナウイルス感染拡大、および政府の感染拡大防止措置の影響で、チェコ・コルナは3月に入ってから急激に下落しており、3月16日の対ユーロ・レートは1ユーロ=26.96コルナ(117.28円、1コルナ=約0.435円)で、3月2日の25.525コルナから約1コルナ減価した。政策金利引き下げが実施された17日のレートは26.98コルナで、依然として極端なコルナ安状態が続いている。

一方、3月16日には、産業貿易省の新型コロナウイルス損失補填用無利子融資プログラム()の申請受付が開始された。初日の申請件数は437件で申請総額はすでに当初予算額6億コルナを上回った。そのため内閣は、同日、予算額を引き上げ10億コルナ追加することを決定した。

(中川圭子)

(チェコ)

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