チェコ中銀が再利下げ、0.75ポイント引き下げ1.0%に

(チェコ)

プラハ発

2020年03月30日

チェコ国立銀行(中央銀行)は3月26日、定例金融政策会議で、翌27日付で政策金利を0.75ポイント引き下げ、1.0%とすることを決定した。新型コロナウイルスの経済影響緩和策としての利下げ決定は、3月16日の0.5ポイント引き下げ(関連ブラック ジャック ブラック)後、今回が2度目となる。同時に、ロンバートレート(債権担保貸付金利)も0.75ポイント、ディスカウントレート(割引率)は0.7ポイント引き下げられ、それぞれ2.0%、0.05%となった。

中銀は、今後も必要と判断されたときには、金利引き下げを継続していく意向を明らかにしている。

会議後の記者会見でトマーシュ・ニデツキー中銀副総裁は、不確実性が高く2020年第2四半期のGDPはマイナス成長に落ち込む、と予測している。これに関して、同行は「新型コロナウイルス感染拡大とこれに関連する各国の経済活動の低下、およびチェコ政府の感染拡大防止対策により、景気後退とインフレ低下が起こる。景気後退状況は2020年中、継続する」と説明している。さらに各国政府の施策により、世界的に貿易および企業の生産活動が大幅に制限される、と指摘した。

チェコ産業連盟が3月24日に発表したアンケート調査(国内製造企業340社を対象に3月19~20日に実施)では、政府の新型コロナウイルス感染拡大防止措置により、半数を超える企業が3月、4月の受注が20%超も減少すると予測している回答結果が出ている。また生産量に関しては、全体の35.7%が低減させたと回答、うち9.4%は最低限に引き下げたとし、さらに31.6%が生産制限を検討中と回答している。

3月27日には、シュコダ・オートが生産休止の延長を決定、生産再開を4月14日以降とした、と国内メディアが報じた。同社は、親会社のフォルクスワーゲン(VW)グループの欧州内全工場一時閉鎖の決定を受け、3月18日から、当初4月5日までの予定で生産を休止していた(シュコダ・オートが生産休止、業界はブラック)。

シュコダ・オートは、生産休止期間延長決定について、「チェコおよびEU各国の政府の新型コロナウイルス感染拡大防止策により、販売店が閉店となっており、そのため需要が依然として極めて低いレベルにとどまっている」ためと説明している。

(中川圭子)

(チェコ)

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