新車販売台数は2年連続減少も、生産台数は3年連続の増加
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年03月17日
南アフリカ共和国の自動車製造者協会(NAAMSA)の発表(3月10日)によると、2019年の新車販売台数は、景気減速の影響などにより、前年比2.8%減の53万6,611台となり、2年連続の減少になった(表1参照)。またNAAMSAは、南アの景気低迷を受け(2019年第4四半期のGDP成長率、前期比ブラック)、2020年の販売台数を2.2%減と予測した。
メーカー別の乗用車販売台数をみると、フォルクスワーゲン(VW)グループが前年比横ばいの8万3,262台で、前年に続き首位を維持した。トヨタが6万3,700台(前年比9.2%減)、現代が3万269台(6.3%減)と続き、上位3社の順位は前年と同じだった。前年4位のフォードは5.7%減で、ルノー(6.7%増)に抜かれ、5位となった。
日系企業では、日産が1万9,915台(前年比10.9%減)、マツダが1万4,498台(13.3%減)、ホンダが5,557台(26.2%減)と前年よりも苦戦を強いられた。その中で、小型車が好調なスズキが26.5%増の1万4,867台となり、前年に続いて販売数を大きく伸ばした。商用車(中・大型を含む)を合わせた2019年のマーケットシェアでは、トヨタが前年比横ばいの24.2%と、40年連続で首位の座を守った。
一方、2019年の生産台数は、前年比3.6%増の63万1,983台で3年連続の増加となり、過去最多を記録した(表2参照)。生産台数のうち、半数超の38万5,169台が輸出向けで、特に欧州向けの小型乗用車ポロ(VW)の輸出が好調だったことにより、乗用車の輸出台数は17.7%増の26万57台となった。
南ア政府は、2018年11月に発表した新自動車産業政策「南ア自動車基本計画2035(SAAM、2018年12月3日記事参照)」を通じて、国内で生産するOEM(相手先ブランド生産)に対して優遇措置を与えることを決定した。2019年には、日産やトヨタが相次いで追加投資や現地調達率の引き上げを発表した(関連ブラック ジャック オンライン)。SAAMでは、2035年までに国内生産台数を140万台まで拡大させる目標を掲げているが、NAAMSAは2020年の生産台数が前年比0.4%増の63万4,400台にとどまると予測している。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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