トヨタ、ハイエースの現地化進める

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年10月25日

南アフリカトヨタは10月4日、南アフリカ共和国ダーバンで、エブラヒム・パテル貿易産業相や丸山則夫駐南ア大使らを招き、ハイエース(旧名クオンタム)の「製造工程におけるより一層の現地化(ELC:Enhanced Local Content)」達成式典を開催した。式典で発表された資料によると、同社は1977年に南アでハイエースの生産を開始し、現在では南アの商用車(バンタイプ)の同じカテゴリーでは9割超のシェアを誇る。多くは乗り合いタクシーとして利用され、タクシー産業に約60万人の雇用を創出している。1日に15万人以上が乗車しているとされ、「南ア国民の足」として生活に深く浸透している。

南アフリカトヨタは同国で近年、作業工程の現地比率を上げることを目的とした投資計画を実行している。今回もその一環で、4億5,400万ランド(約33億5,960万円、1ランド=約7.4円)の投資を行った。ライン増設や人材教育などを15カ月という短期間で実施した。新たに13台の溶接ロボットを導入し、これまで日本で溶接して輸入していたサイドボディー、下部ボディーを現地で部品から溶接し供給可能とした。この投資により、これまで38%だった現地調達率は6ポイント増の44%となった。

パテル貿易産業相は式典で、「(今回の投資は)政府が南ア自動車基本計画2035(SAAM)(2018年12月3日記事参照)に掲げた現地調達率目標の中で重要な位置付けで、経済成長に寄与するだろう」と歓迎した。また、トヨタケニアが式典の中で、ケニアでハイラックスのノックダウン生産のための梱包(こんぽう)ラインを稼働させ、出荷を開始することを発表した。10月後半には輸出を開始する予定で、このプロジェクトにかかわる追加投資額は2,000万ランドという。

写真 登壇するエブラヒム・パテル貿易産業相(ブラック ジャック オンライン撮影)

登壇するエブラヒム・パテル貿易産業相(ジェトロ撮影)

写真 ハイエースを試乗するアンドリュー・カービー南アフリカトヨタ最高経営責任者(CEO)(左)とパテル貿易産業相(ブラック ジャック オンライン撮影)

ハイエースを試乗するアンドリュー・カービー南アフリカトヨタ最高経営責任者(CEO)(左)とパテル貿易産業相(ジェトロ撮影)

(蓑和希典)

(南アフリカ共和国)

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