週末夜間を外出禁止に、在宅勤務も義務化

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年03月27日

アラブ首長国連邦(UAE)政府は、3月26日から28日の3日間を夜間外出禁止とし、国内施設やインフラ設備などの消毒を重点的に実施すると発表した。現地の週末にあたる木曜日の夜から日曜日の、それぞれ夜8時から翌朝6時まで、国内のバスやメトロ、タクシーなどの公共交通機関が停止し、エネルギーや通信、警察といった一部の職種、食品買い出しや緊急の場合などを除く外出が禁止される。UAEでは、25日からショッピングモールなど商業施設や生鮮食品マーケットを2週間閉鎖する措置がとられていた(関連ブラック ジャック ルール)が、ついに外出にも制限がかかることとなった。

またドバイ政府は25日夜、民間企業に対して4月9日まで、少なくとも社内の8割の業務従事者の在宅勤務を義務付けると発表した。即日の運用が求められたため、企業は翌26日から事務所に出社する人員を減らす対応に追われた。ある日系企業の現地法人社長は、「いきなりの発表で困っている。在宅勤務をしようにも社員のPC(パソコン)は事務所に置いたままだ」と、急な通達に困惑の色を隠さなかった。その後26日は時差出勤し、事務所に滞在する社員が2割を超えないよう留意しながらPCを持ち帰るよう、急遽社員に指示を出したという。翌週からはシフトを組み、出勤する社員を減らした勤務体制に入るとのことだ。

さらに26日朝には、ドバイ政府機関の職員も、週明け29日からは職員全員を在宅勤務とすることが発表された。ビジネス、生活に関わる制限措置が矢継ぎ早にとられており、政府も新型コロナウイルスの感染拡大予防策に躍起だ。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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