青果物輸入・販売時の残留農薬検査の方針発表

(タイ)

バンコク発

2020年02月06日

タイ保健省食品・医薬品局は1月24日、青果物の残留農薬検査などの方針を発表した。

今回の通知PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(日本語仮訳は添付資料参照)では、輸入のたびにFDA通関で青果物の残留農薬検査、輸入者の名前や所在地などを示すラベルの確認を行う方針を示した。残留農薬検査は、青果物の生産国の政府機関や一定の民間機関による分析結果証明書の提示で代替できるとされている。輸入青果物以外にも、タイ国内の選別・梱包(こんぽう)工程や販売施設も検査対象とすることが記載され、2月3日には国内の大手卸売市場タラートタイで抜き打ち検査が行われるなどの動きが出ている。

通知は、青果物の選別・梱包施設に対して衛生に関係する条件を満たすよう定めた保健省告示第386号(2017年8月公布、2019年8月から本格施行。関連ブラック ジャック webオンライン カジノ ブラック参照)の運用方針を示すものとなっている。保健省の担当官によると、対象は保健省告示第386号付属文書1(タイ語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)英語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語仮訳)が規定する品目という。

この背景には、グリホサートとパラコート、クロルピリホスの3種の農薬について、タイ政府が規制を検討してきた経緯がある。2019年10月に国家危険物質委員会(NHSC)がこれら農薬の使用を12月から禁止する決議を採択したが、11月に同委員会が、その決議を覆し、グリホサートの使用禁止を見送るとともに、パラコートとクロルピリホスの使用禁止の開始時期を6カ月延期することとした。この間、タイ国内の農業団体や外国政府の反対などがあったとみられる。

1月28日のアヌティン副首相兼保健相の記者会見では、3種の農薬の禁止について言及した。こうした動きを踏まえ、今回の通知につながったようだ。

これまでも青果物については、海港を中心にランダムで残留農薬検査が行われてきたが、検査結果は通関後に一定期間が経過してから通知されるケースも少なくなかった。上述の担当官によると、今回の通知により、簡易検査キットを使って最速15分程度で結果を出すことも想定しているとしており、結果次第では輸入ができないこともあり得る。

2月4日現在、主要港湾で今回の通知の本格運用はなされておらず、今後の動きに注意が必要だ。

(福田かおる、ウォンパタラクン・ヤーダー)

(タイ)

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