2019年の新車販売台数、前年比10.6%減も過去3番目の高水準

(チリ)

サンティアゴ発

2020年01月21日

チリ全国自動車産業協会(ANAC)の発表によると、2019年の新車販売台数(バスなど大型車を除く)は前年比10.6%減の37万2,878台だった(表1参照)。ANACは、10月上旬から続く反政府デモによる経済の混乱を販売台数減少の要因の1つに挙げている。前年比では減少したものの、2018年が過去最高を記録した年であったためでもあり、長期的にみると、ANACの調査開始以来、過去3番目の高水準だった。

表1 2019年主要ブランド別新車販売台数

ブランド別にみると、トップ5はシボレー(シェア9.5%)、現代(7.6%)、起亜(7.5%)、スズキ(7.5%)、日産(7.2%)の順で、シボレーがシェアでは際立っていたが、2~5位はシェア7%台の僅差だった。前年の好調(関連ブラック ジャック 賭け)から一転、上位15ブランドのうち、1~12位までが前年比でマイナス(9位の三菱自動車を除く)となったが、13~15位の長安汽車、ジャック、長城汽車の中国ブランドは、それぞれ前年比14.0%増、5.3%増、16.1%増と好調だった。チリに中国ブランドが進出した2007年当初は、品質を問題視する消費者が多かったが、近年では品質が大幅に改善され、デザインも洗練されたことに加え、競合他社と比較した際の価格の安さが消費者にとって魅力的なことが販売台数増加の要因として挙げられる(「プルソ」紙1月14日)。

タイプ別にみると、乗用車は14万1,717台で、前年比14.5%減だった(表2参照)。スポーツ用多目的車(SUV)、商用車、ピックアップトラックもそれぞれ減少した。モデル別にみると、販売トップは三菱自動車のピックアップトラック「L200」(9,140台)で、2019年1~11月で最も販売されたモデルだった(表3参照)。個人での利用に加え、鉱業や産業分野で多く使用されていることが販売を伸ばしている理由となっている。一方、ハイブリッド車は、前年比1.8%減の850台、電気自動車(EV)は53.3%増の302台だった。ANACは、2020年の新車販売台数が昨年よりもさらに減少し、32万9,000台になるとの見通しを発表している。

表2 タイプ別新車販売台数
表3 2019年(1~11月)モデル別売り上げトップ15

(岡戸美澪)

(チリ)

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