TICAD7で外相会談、日本の方針を支持
(モロッコ、日本)
ラバト発
2019年10月09日
横浜で8月28~30日に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に、モロッコから首席代表としてナッセール・ブリタ外務・国際協力相、次席代表としてムフシン・ジャズリ外務・国際協力相付アフリカ協力特命相が参加した。現地報道によれば、ブリタ外務・国際協力相は8月31日の河野太郎外相(当時)との昼食会後、TICAD7を契機に今までになく2国間の関係性は強くなっており、日本の対アフリカ協力方針を支持する、と述べた。また、日本からの対モロッコ投資額、進出日系企業数ともにアフリカ大陸で2位だと強調した。
TICAD7の機会に来日した、カサブランカ・ファイナンス・シティ(CFC、注)とモロッコ再生可能エネルギー庁(MASEN)は、8月28日にサイドイベントで講演した。現地報道によれば、CFCのサイード・イブラヒムCEO(最高経営責任者)は、モロッコはアフリカ大陸の投資ハブで、モロッコの大手銀行であるBMCE Bank of Africa(BMCE)、バンク・セントラル・ポピュレール(BCP)、アティジャリワファ銀行(AWB)の3行が、それぞれアフリカ内の19、17、14の国に子会社を持っていることを挙げた。これら3行に加えて、アフリカ域内に進出しているモロッコの通信企業が持つ豊富なノウハウや経験を、アフリカ進出に関心のある日本企業と共有できるとした。MASENのアリ・ゼロウアリー長官は、近年のモロッコ政府による再生可能エネルギー分野の取り組みなどを紹介した。
また、TICAD7の機会に、モロッコに関連する以下4件の協力覚書(MOU)が署名された。
- 丸紅の100%出資子会社であるポルトガルの水道事業大手AGSとモロッコ国営電力・水道公社(ONEE):両社の上下水道事業の効率化。
- みずほ銀行とフランス語圏アフリカを中心に14カ国に展開するAWB:北部・西部・中部アフリカにおける金融サービスの強化を目的とした幅広い分野での協働。
- 三井住友銀行とモロッコの大手銀行であるBCP:両社拠点網を相互活用し、アフリカ-日本間の貿易・投資機会創出の支援を拡大。
- ジェトロとモロッコ投資開発庁(AMDIE):モロッコへの投資誘致促進。
(注)2010年に設立されたモロッコの金融経済特区(2019年6月25日記事参照)。
(大野晃三)
(モロッコ、日本)
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