ピニェラ大統領、APECとCOP25のチリ開催中止を発表

(チリ、APEC)

サンティアゴ発

2019年10月31日

ピニェラ大統領は10月30日、チリで11月16~17日に開催予定だったAPEC首脳会議と12月2~13日に開催予定だった国連気候変動枠組み条約第25回締約国会合(COP25)を中止すると発表した。この決定は、首都サンティアゴの地下鉄運賃値上げ計画に端を発した一連の反政府デモ(2019年10月29日記事参照)による、深刻な国内状況に基づくものだとしている。10月24日にテオドロ・リベラ外相が、両国際会合は継続してチリで開催する見込みだと発表してから、ほんの1週間足らずで正反対の方針変更となった。

ピニェラ大統領は、チリにとって多くの苦痛を伴う非常に難しい決断だったとした上で、「政府としての最優先事項は、第1に、公の秩序、国民の安全、社会の平和の完全な回復に集中すること。第2に、国民の要求に応えるための新しい社会アジェンダ(デモが各地に拡大、チリ政府は社会アブラック)を早急に促進すること。第3に、チリ全土の同胞に耳を傾けて幅広く深い対話プロセスを促進し、新しい社会アジェンダ実現に向けた法律可決のためにさまざまな政治勢力との対話と合意のプロセスを促進することだ」とコメントした。

(岡戸美澪)

(チリ、APEC)

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