グローバルイノベーション指数、シンガポールがASEANトップ
(ASEAN)
ジャカルタ発
2019年08月02日
米国コーネル大学とフランスの経営大学院インシアード(INSEAD)、世界知的所有権機関(WIPO)は7月24日、世界各国のイノベーションの度合いを評価した「グローバルイノベーション指数2019年版」を発表した。ASEAN諸国では、シンガポール(8位)が首位となったほか、前年に引き続き、調査対象8カ国の全てが100位以内にランキングした。
シンガポール以下、マレーシア(35位)、ベトナム(42位)、タイ(43位)、フィリピン(54位)、ブルネイ(71位)、インドネシア(85位)、カンボジア(98位)と続く。この調査は129カ国を対象とし、政府による規制環境、特許出願数、携帯用アプリケーションのダウンロード数など約80のさまざまな観点から評価を行い、順位付けを行っている。
報告書では、ASEAN諸国は研究者数や研究開発(R&D)への支出額を基に算出されたR&D指数で、比較的良い結果が出ていると分析している。多くの指数でシンガポールが他のASEAN諸国より優れているものの、「商標登録件数」と「教育への政府支出額」ではベトナムが、「クリエーティブ商品の輸出額」ではタイ、マレーシアがASEAN諸国で1位となっている。
フィリピンは前年の総合順位73位から、2019年は54位と大きく躍進した。要因として、「企業内での研究人材」が総合6位、「社員教育」で総合9位と、人材育成に力を入れていることが読み取れる。
インドネシアは「国内市場規模」で総合7位に入り、人口規模で優位性を持つものの、その他の指標で伸び悩み、前年から横ばいだった。インドネシア政府は職業訓練やR&Dへの投資に対し、大幅な減税措置を取る政令を発表(2019年7月26日記事参照)するなど改善を図る。具体的な対象や手続きは、関連省庁からの細則を待つ必要があるが、同国でのR&D分野の人材育成環境の整備が期待される。
レポート本編は「グローバルイノベーション指数」のウェブサイトを参照されたい。
(注)ASEAN加盟10カ国のうち、ラオスとミャンマーは調査対象外。
(上野渉)
(ASEAN)
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