職業訓練や研究開発(R&D)投資への大幅減税

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年07月26日

インドネシア政府は、7月9日に産業振興のための法人減税に関する政令を発表した。職業訓練や研究開発(R&D)への投資に対し、大幅な減税措置を取るというもの。本政令は、「Making Indonesia 4.0イニシアチブ」()を推進する政策の1つとして、工業分野におけるビジネス環境を向上させることが狙い。

本政令では、次の減税措置を定めている(参考用に仮訳したもので、正確な内容は原文を参照のこと)。

  • 第29条A:雇用拡大につながる労働集約型産業への新規投資または拡大投資に対して60%の減税を行う。投資対象は土地を含む工場建設など。
  • 29条B:職業訓練・人材育成に資する活動に対して(投資額の)最大200%の減税を行う。人材育成活動は、トレーニングプログラムの提供、インターンシップなどを通じてインドネシアの産業需要に合致するものであり、人材の質を高めるものであること。
  • 第29条C:インドネシアにおける研究開発(R&D)活動に対して最大300%の減税を行う。具体的なR&D活動の内容とは、新技術の開発やイノベーションを通じてインドネシア国内の産業競争力の向上に資するものであること。

これらの政策を通じて、政府としては産業競争力の強化、輸出量の拡大、雇用増加にインパクトを与えることが狙い。新政権の政策目標の中でも、人材育成は大きな柱で、特に産業人材の再教育に注力したい考えだ。

本政令の具体的な対象や手続きについて、関連省庁からの細則を待つ必要があるが、日系企業にとっても、対象分野の投資を行う際は、減税の恩典を受けられる可能性がある。

政令2019年第45号(インドネシア語)本文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照のこと。

(北條恵理)

(インドネシア)

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