ウズベキスタン航空保守部門、初めて日本の専門見本市に参加

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年08月22日

ウズベキスタン国営ウズベキスタン航空の保守・点検・修理部門「ウズベキスタン・エアウェイズ・テクニクス」が2019年9月24~26日に名古屋市で開催される日本最大級の航空宇宙産業の見本市「エアロマート名古屋」に初めて参加する(注1)。同社は、ウズベキスタン航空が保有するボーイング、エアバスなど40機の航空機や、ロシア・アエロフロートなど旧ソ連諸国を中心とする航空会社が保有する航空機の保守・修理を扱う、地域大手のMRO(Maintenance, Repair & Overhaul:保守・修理点検)事業を行う企業。訪日する、調達・技術部門を統括する同社のカモル・カミロフ商業部次長に話を聞いた(8月16日)。

(問)今回、日本での見本市に参加を決めた経緯について。

(答)現在、政府が進めている外国投資の誘致、航空行政の自由化、観光産業の振興に伴い、ウズベキスタンの航空産業は急激に変化している。当社は旧ソ連諸国地域で確固たるMRO企業の地位を築いているが、今後、国際的な業務提携、調達の幅を広げていく必要がある。今回がその一歩になればと希望している。

(問)今回、航空機部品・消耗品・関連資機材の調達を目的に訪日するが、日本企業も含めた事業連携に関する可能性についてどのような戦略を描いているか。

(答)当社が新しいビジネスモデルを必要としている分野が3つある。1つ目は、現在ルフトハンザ(ドイツ)に委託している循環部品(注2)の保守・修理を当社で行えるようにし、そのための部品保管を機能的に整備すること、2つ目は、ウズベキスタン国内の空港における(地上での)航空機への緊急支援(AOG)サービスの提供、3つ目は、ウズベキスタン航空が保有する6機のボーイング787(ドリームライナー)向け格納庫の建設だ。

(問)将来の(同社の)サービスの需要の伸びに関する見通しは。

(答)政府の観光産業振興により、旅行客は大幅に増えるだろう。2019年に入りウズベキスタン航空に、LEAPエンジン(注3)を搭載したエアバスA321neo 4機の納入が開始された。さらに国内短距離用に、ATR(注4)のプロペラ機を6~10機購入する予定となっている。また、政府のオープンエア政策により今後、地方空港への外国航空会社や格安航空会社(LCC)の乗り入れも増加する見込み(関連ブラック ジャック サイト)。中央アジアから隣国や長距離を結ぶ新規航空便の就航も相次いでおり()、中央アジア地域での航空機の保守・整備サービスへの需要は確実に高まっている。

写真 カモル・カミロフ氏。同社にはボーイング、エアバスや大手部品メーカーの技術者が常時出入りしている(ブラック ジャック ディーラー撮影)

カモル・カミロフ氏。同社にはボーイング、エアバスや大手部品メーカーの技術者が常時出入りしている(ジェトロ撮影)

(注1)ジェトロ名古屋のバイヤー招聘(しょうへい)事業で訪日。面談などの希望はジェトロ名古屋まで問い合わせのこと。

(注2)反復修理・使用が可能な部品。ロータリーパーツと呼ばれる。

(注3)米国・フランス合弁のCFMインターナショナルが製造するエンジン。

(注4)フランス・イタリア合弁のコンソーシアム。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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