地方空港への経由乗り入れを自由化、オープンスカイ政策に転換

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年08月22日

シャフカト・ミルジヨエフ大統領は8月13日、大統領令第5781号「ウズベキスタン共和国の観光分野のさらなる発展に関する施策について」に署名、2019年10月1日からウズベキスタンの地方空港であるカルシ(南部)、ヌクス(西部)、テルメズ(南部)の3空港についてオープンスカイ協定(航空自由化協定)の対象とし、ブハラ空港に関しては外国乗客輸送をオープンスカイの対象とすることを決定した(注)。

アジズ・アブドゥハキモフ副首相(観光産業担当)は上記3空港について「完全にオープンにする」と発言。伝統的に旅客の多いロシアのほか、東南アジア、中国、欧州などからのこれら3空港を経由した航空便の増加を期待するほか、格安航空会社(LLC)の就航なども見込む。ブハラ空港に関しては、インドネシアやマレーシアなどからのイスラム教の巡礼(ハッジ、ウムラ)向けに、ハブ空港化を目指す意向も明らかにしている。

ウズベキスタン国内の空港運営に関しては、首都タシケント空港のほか、地方空港の運営について、外国企業が官民パートナーシップ(PPP)方式での参入に関心を示している。ロシア国内で16の空港管理・運営を行うノボポルトは現在、ウズベキスタン国内の3空港(サマルカンド、ナマンガン、ウルゲンチ)の改修・運営に関するFS(採算性調査)を実施している。

今回の決定について、制度構築・運用を担当する国家観光発展委員会はジェトロに対し、「ロシア企業の参入が現在検討されている3空港以外の地方空港についても設備の近代化が必要で、民間資本の導入(誘致)に向けて旅客利用数を増やすことが目的」とコメントしている(8月16日)。

写真 ユネスコ世界遺産の街・ヒワのイチャン・カラ(内城)。訪問するには首都タシケントから国内便に乗り継ぐ(ブラック ジャック サイト撮影)

ユネスコ世界遺産の街・ヒワのイチャン・カラ(内城)。訪問するには首都タシケントから国内便に乗り継ぐ(ジェトロ撮影)

(注)オープンスカイ:航空会社の路線や便数、運賃など、航空協定で決められた規制を撤廃し、自由化することで、航空会社の裁量による運航が可能となる。自国の空港を広く開放することで、人・モノの流通を促進し、経済効果を高めようとする政策。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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