廃プラスチック輸入許可基準が厳格化、10月23日から実施

(マレーシア)

クアラルンプール発

2018年10月15日

マレーシア住宅・地方自治省は、7月23日から発行を停止している廃プラスチック(HSコード:3915)の輸入許可書(AP)(関連ブラック ジャック 必勝)について、10月23日から新たな申請条件を導入することを発表した。8月16日から、自由貿易区(FZ)内の工場または保税工場(LMW)のAPについては停止を解除しているが、新条件はこれらを含めた全ての工場に対して一律に適用される。

税金の納付も申請条件に追加

従来のAP申請の手順は、(1)国家固形廃棄物管理局(NSWMD)への輸入者登録、(2)関係機関からの証明書などの取得、(3)オンライン上での申請だった。

申請書類は、a.輸入する廃プラスチックの実際の写真、b.環境局(DOE)発行の輸入者の工場に関する適合証明書、c.固形廃棄物・公共清掃管理公社(SWCorp)発行の輸出者承認レター、d.輸出者発行のインボイス、e.各自治体が発行するビジネスライセンスの5つ。

SWCorpが発行する輸出者承認レターの発行基準は、これまでも数回にわたり強化されてきた。2017年3月には有効期限を1年間に限定し、7月からは輸出者承認の条件として、環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14000の認証取得証明書の提出を義務付けている。

報道によると、10月23日以降のAP申請については、従来の申請書類のほかに、保管場所の収容能力の証明、NSWMD監督の下での建屋内清掃の実施、輸入廃プラスチック1トン当たり15リンギ(約405円、1リンギ=約27円)の税金(levy)の納付、などの追加条件が課される(「ニュー・ストレーツ・タイムズ」紙9月25日)。

10月8日時点での廃プラスチックに係る輸入関税は、一般税率で5~30%、日マレーシア経済連携協定(MJEPA)では0~2.8%、日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)では0~5%。なお、2018年9月1日から導入された売上税は免税となっている。

違法操業者の一掃も目的

マレーシア・プラスチック製造業者協会(MPMA)のリサイクル委員会会長によると、「合法的に操業している工場が事業を続けるためには、規制強化や税金の賦課はやむを得ない」とする。違法に操業している廃プラスチック処理工場にAPを貸し出すケースも頻発しているとされ、環境汚染の要因と指摘される違法工場の一掃に向け、税関におけるチェックも厳格化される見込みだ。

(田中麻理)

(マレーシア)

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