マクロン大統領、大幅な内閣改造を実施
(フランス)
パリ発
2018年10月18日
マクロン大統領は10月16日、ジェラール・コロン内務相が10月2日に辞任したことに伴い、4人の閣僚を解任、新たに8人を入閣させる大幅なフィリップ内閣の改造を実施した(表参照)。首相を除く34人の閣僚(副大臣も含む)のうち17人が女性で、民間人のエキスパートを15人と多く起用する前内閣の特徴をそのまま残した組閣となった。
コロン氏の後任の内務相には、政権与党・共和国前進の党首で、マクロン大統領の信任が厚いクリストフ・カスタネール前国会関係担当副大臣を任命した。農業・食料相にディディエ・ギヨーム元社会党議員(左派)、文化相にフランク・リステール元共和党議員(右派)、国会関係担当相にマルク・フェノー民主運動(MoDem)議員(中道)を起用、超党派内閣としてバランスを重視した。
また、MoDem出身のジャクリーヌ・グロー前内務相付副大臣を、国土団結・地方自治体関係相に昇格させた。親EU色の強いMoDemとのつながりを強めることで、2019年5月の欧州議会議員選挙に向け、地歩を固めたい意向があるものとみられる。
マクロン大統領は10月16日夜、国民向けにテレビ・ラジオを通じて、内閣改造人事について説明した。その中で、構造改革に対する国民の「いらだちを理解している」としつつ、改革により「国を強くすることが国民一人一人の生活の向上につながる」「政策路線に変更はなく、新内閣はこれまで実施してきた改革をさらに推進していく」ことを強調した。
マクロン大統領は、9月にもニコラ・ユロ環境連帯移行相の辞任を受け、小幅な内閣改造を実施したばかりだ(2018年9月11日記事参照)。大統領の支持率は、2018年7月の大統領側近による暴力事件を機に急落。10月5日に「レゼコー」紙が発表した世論調査によると、10月の支持率は2017年5月の大統領就任直後の45%より15ポイント低い30%となり、マクロン大統領の求心力の低下が目立っていた。
(山崎あき)
(フランス)
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