選択消費税の増税、自動車業界に波紋広がる
(ペルー)
リマ発
2018年05月18日
政府が選択消費税(以下、ISC税)を増税したことを受け(関連オンライン ブラック ジャック)、特に影響が大きい自動車業界を中心に波紋が広がっている。ISC税は自動車販売企業に対し課税され同税相当分は販売価格に転嫁されるため、新車販売価格の上昇に直結する。ペルー自動車協会(APP)の試算ではガソリン車の場合、平均13%の値上げと見込んでいる。
買い控えが懸念
経済財政省(MEF)は電気自動車やハイブリッド車の税率を無税へと引き下げた今回の改正は、流通する自動車をより環境に良い車両へと移行させることが期待できるとしている。しかしペルー自動車協会(AAP)の見方は懐疑的だ。
AAPのエドウィン・デルテアノ会長は、環境対策を念頭に置いた政府の説明に対し、ガソリン車の新車販売価格が上昇すれば買い控えが発生し、むしろ規制に準拠していない排ガスを排出する古い車両が市場に残り逆効果だと指摘する。
また、AAPは新車販売価格の上昇により2018年の新車販売台数は当初見通しの19万台から15万5,000台程度へと落ち込むと試算しており、自動車販売の約75%を乗用車が占めるペルー市場の深刻な状況を示唆している。ペルーの自動車保有率は11人に1台と、チリの3人に1台、アルゼンチンの3.7人に1台と比べ大きく差が開いており、市場拡大の足かせとなると政府への強い懸念を表明した。
環境配慮型自動車は税率引き下げ
ガソリン車以外については、MEFの説明どおり、環境配慮型自動車(電気自動車・ハイブリッド自動車など)の税率は改正前の10%からゼロに引き下げられた。このほか資本財としてのトラック、バスはゼロに据え置かれ、ピックアップトラックについても同様に資本財として改正前の0~10%からゼロへと引き下げられた(添付資料参照)。
(藤本雅之)
(ペルー)
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