政府、福島など7県の水産加工施設からの輸入制限を解除

(ロシア)

モスクワ発

2018年03月27日

ロシア連邦動植物検疫監督局(ロスセリホズナドゾル)は3月26日、東京電力福島第1原発事故(2011年)以降、輸入停止措置を適用していた岩手県、宮城県、福島県、山形県、新潟県、茨城県、千葉県の水産加工施設からの水産物輸入制限を23日に解除したと発表した。ただし、福島県の加工施設については、原産地と放射性物質の含有などに関する文書の提出が義務付けられた。

福島県には原産地などの文書を義務付け

ロスセリホズナドゾルは3月23日から、岩手県、宮城県、福島県、山形県、新潟県、茨城県、千葉県の水産加工施設155カ所からの水産物輸入制限を解除した。同局はその理由を、「国際原子力機関(IAEA)による査察結果の報告、日本の環境と動物由来製品における放射性物質のモニタリング、水産物に対するモニタリング結果や国際的な経験・運用に鑑みた」としている。

ただし、福島県産の水産物のロシアへの輸入に当たっては、有効な検疫証明書に加え、同証明書の添付文書として、福島県原産であること、水産物における放射性核種(セシウム137、セシウム134、ストロンチウム90)含有がロシア政府の定める最大許容値以下で、接触伝染病を保有していないことに関して獣医が署名・捺印する文書の提出が義務付けられる。添付書類のサンプルフォームは、2018年3月23日付ロスセリホズナドゾル書簡第FS-KS-7/6573外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます号に掲載されている。

他方、ロスセリホズナドゾルは引き続き、日本からの水産物輸入に関しては、ロシアに貨物が到着した際に、国家食品品質・安全検査で定められた放射線安全指標に基づいてサンプル検査を実施する。

ロスセリホズナドゾルは福島第1原発事故の発生に伴い、2011年4月6日以降、青森県、岩手県、宮城県、福島県、山形県、新潟県、茨城県、千葉県に立地する水産加工施設からの水産物輸入を停止した。その後、2015年7月16日に青森県の加工施設からの輸入を一定の条件に基づき、解禁していた(ブラック ジャック ブラック)。今回の緩和措置で、日本の全ての水産加工施設からの輸入が可能となった。

(齋藤寛)

(ロシア)

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