ブラック ジャック 遊び方

(ベラルーシ、カザフスタン、ロシア)

モスクワ事務所

2014年11月21日

ロシア、ベラルーシ、カザフスタンで構成される関税同盟。その統一経済圏の執行機関であるユーラシア経済委員会では2015年1月1日に発足するユーラシア経済連合への移行を見据え、経済政策の一致に向けた知的財産分野の制度統一化を推進している。知財管轄政府機関へのインタビューシリーズの最終回はユーラシア経済委員会。

<3ヵ国で知財関連の法案を作成>
ユーラシア経済連合への移行に向けた知財分野での取り組みについて、アリエフ企業活動振興局副局長、イズマイロワ知的財産権保護課課長代理、シュリギン知的財産権保護課アドバイザーに聞いた(9月30日)。

ユーラシア経済委員会は2012年に設立された。最上位に加盟国の元首で構成される最高ユーラシア経済評議会があり、その下に加盟国副首相級で構成される評議会、さらにその下に9人の理事で構成される理事会があり、理事は各国から3人ずつ選出されている。各理事には担当分野があり、知財部門を管理する企業活動振興局を管轄しているのが経済・財政政策担当理事(大臣)であるカザフスタン代表のティムール・スレイマノフ氏だ。同氏はトルコの大学と米国の大学院で学んだ36歳。

企業活動振興局では知財関連でこれまでに、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンでの知的財産保護制度の統一、商標登録出願の統一窓口の設置、知的財産対象物の統一税関登録簿の創設、著作権・隣接権の集合管理制度の導入に関する法案を作成している。これらの制度は既にEUで導入されているものだ。

ユーラシア経済委員会の大きな強みは、加盟国で制度を一度に統一できることだ。評議会や理事会で決まったことが、3ヵ国に展開される。例えば条約は通常、各国議会が批准しないと発効しないが、技術規則・衛生分野に関する問題はユーラシア経済委員会の決定が各国法に優先される。

<近い将来の加盟候補に2ヵ国>
また、各分野において諮問委員会が設置されている。諮問委員会は各国の専門家、政府機関、産業界の代表で構成され、理事会の審議に先立ち、各種議題を検討している。知財分野に関しては、ロシア連邦税関局や各国の特許担当機関の代表者が参加しており、必要に応じて各国国家機関にも照会を行っている。例えば、並行輸入に関しては70人もの専門家が参加している。

関税同盟の加盟国の拡大については、アルメニアが2013年にロードマップを策定し、その全ての条件をクリアしたため、正式加盟となる見込みだ(2014年10月16日記事参照)。キルギスもロードマップの作成が行われており、ロードマップの条件を全てクリアできれば加盟が認められる。近い将来の加盟候補国はこの2ヵ国だ。

<出願の統一窓口設置、一気に3ヵ国で商標登録可能に>
商標登録出願の統一申請窓口が設置された場合、商標登録を一気に3ヵ国に広げられることとなる。申請窓口となる国の特許機関が他国の特許機関と協力して、登録作業を行う。知財ブラック ジャック 遊び方の調査は3ヵ国で行われるが、出願者は各国で調査を行った結果を出願国の窓口で知ることができる。

なお商標を、3ヵ国統一の「同盟の商標」として登録している場合、1ヵ国でも取り下げがあった際には、その商標自体が消えることになる。商標登録を残したい国があれば、対象国で申請すること。無効化の申請の場合も同様だ。

特許申請に関しては、既にユーラシア特許庁という機関があり、広域申請システムが機能している。このためユーラシア経済委員会では、特許分野においては特許の利用、商業化の促進を支援する必要があると考えている。

<難航する統一税関登録簿の創設>
模倣品対策において、ユーラシア経済委員会が各国税関と行っている協力については、a.3ヵ国での新しい関税基本法の導入、b.統一知的財産登録簿の創設への取り組み、c.新しい関税基本法が発効した後の取り締まりに当たっての実務的なブラック ジャック 遊び方伝達の実施と調整作業、の3点が挙げられる。

統一税関登録簿に関しては、まだ創設に関する合意が形成されていない。主としてカザフスタンが異議を唱えており、調整が長引いているためだ。同国が異議を唱える理由は、関税同盟加盟国全体で権利者が一元化されると、例えば、カザフスタンで外国ブランド自動車の純正部品を合法的に輸入している法人について、純正部品の権利者である外国企業がロシアの法人を統一税関登録簿に登録すれば、カザフスタンの企業は純正部品をロシアの法人を経由しないと輸入できなくなる事態が発生する恐れがあるというのだ。

(齋藤寛)

(ロシア・ベラルーシ・カザフスタン)

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