米国におけるバイオ医薬品に関する 政策・産業動向（2023年3月）

米国では、がん、糖尿病や心臓血管疾患等の慢性疾患の増加、高齢化の加速、個別化医療への期待等が引き金となり、バイオ医薬品への需要が高まってきており、大規模な市場を形成している 。製薬会社、バイオ医療系の大手企業のみならず、スタートアップ企業も次々に創出され、米国経済において成長の著しい将来性のある産業として君臨しつつある。このようなダイナミックな産業の創出を後押ししている一つに、政策的ドライバーがある。
米国では、バイオ医療産業のエコシステムを支えるバラエティに富むクラスター数多くが存在する。今回は、主要エコシステムランキングで常に首位を争うボストン、シリコンバレー及びサンディエゴに加え、エマージング拠点として近年急成長を遂げている 3 都市を紹介する。これらの都市は、それぞれに得意分野や強みを持ち、大学、研究機関、病院、企業、支援組織等主 要プレイヤー群が強固な連携関係を作りながら、バイオ医療のイノベーションを創り出している。日本のバイオ医療関連企業も積極的にクラスターに参画し、米国のバイオ医療ダイナミズムの一角を織りなしている。
本報告書が日本企業にとってバイオ医療事業戦略の一助になることを願っている。