米国の病院におけるIoTの活用状況(2017年5月)
2017年05月26日
最終更新日:
医療分野で用いられるIoT(モノのインターネット)である「医療IoT(Internet of Medical Things:IoMT)」の中心となるのは、Wi-Fi又はBluetoothなどのセルラー/ワイヤレス通信機能を備えたM2M(machine-to-machine)通信を行える医療機器であり、クラウド上で医療関係者による患者の様々な健康データの収集・保存・分析・共有を容易にし、個人に一層パーソナライズされた医療サービスの提供や、医療ケアの効率化につながることが期待されている。医療IoT機器の例としては、慢性疾患や長期看護を必要とする患者の遠隔モニタリングに用いられる血糖値測定器や心電図などのコネクテッド医療機器のほか、薬剤の種類や量を遠隔から調整し患者に投与できる輸液ポンプ、ウェアラブルモバイルヘルス(mHhealth)機器及び体内埋込型医療機器などが挙げられる。米国の医療分野でも日本と同様に、高齢者の人口増加や慢性疾患患者に対する医療コストの増大、医療現場における人手不足や過剰労働などの課題が大きくなってきており、こうした医療IoT機器を積極的に導入する病院や関連ソリューションを提供する大手IT企業・ベンチャー企業が増加傾向にある。今号では、こうしたトレンドを踏まえて、米国で積極的に医療IoTソリューションを導入する病院の取組みや革新的なソリューションを開発・提供するIT企業を紹介する。また、医療現場でのIoT普及を背景に高まるセキュリティ懸念と連邦政府の取組みについても取り上げる。
- 発行年月:
- 2017年05月
- 作成部署:
- ジェトロ・ニューヨーク事務所
- 総ページ数:
- 24ページ