米国における人口知能の動向(開発の動向と安全性・品質保証及び倫理・責任問題)(2016年5月)
2016年05月31日
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コンピューターの発達とともに研究が重ねられてきた人工知能は、新しい人工知能の技術であるディープラーニングの登場とIT化によって日々生み出される膨大なデータによって、新たな可能性を切り開いて大きく実用化へと進みだし、まさに本格的な「人工知能の時代」が到来したと言える。データを使って自ら学習することで知識を増やしていくディープラーニングは、広範な分野で応用可能と考えられることから研究が加速度的に進んでおり、インターネットやIoTの活用により生み出される膨大なデータが人工知能に多くの学習の機会を与えることで、想像以上の速さで実用化が進んでいる。また、自動運転車やパーソナルアシスタントなどで使われる人工知能は、人間の知性を必要とした作業を確実に習得し始めている。
一方で、実際の生活やビジネスにおいて、必ず直面する社会倫理や責任問題を、人間ではない人工知能に対してどのように教え、どのように背負わせるかという問題も浮かび上がってきた。そして人と人工知能が、これからどのような関係を築いていけばよいのか、という問題もでてきている。
このような、単に人工知能の技術面だけでなく、人間社会における問題と同じような議論が起こり始めたのは、人工知能が人間と同じレベルに近づいてきたからとも言えるだろう。
今号では、人工知能の開発競争が加速する一方で、人工知能の安全性や品質保証そして倫理や責任問題について議論が巻き起こる米国の人工知能の取り組みについて紹介する。
- 発行年月:
- 2016年05月
- 作成部署:
- ジェトロ・ニューヨーク事務所
- 総ページ数:
- 26ページ