ベトナムにおける映像市場調査(2015年2月)
最終更新日: 2015年02月28日
本レポートは、近年拡大するベトナムの映画やテレビ等の映像市場の動向について、各種統計やヒアリング調査をもとにまとめたものである。
ベトナムの映画市場は、興行収入では2013年に5,700万ドル(見込)と、タイやインドネシア(2012年にそれぞれ1億4,200万ドル、1億1,400万ドル)に比べてもまだ小さいものの、上映本数も増加傾向にあり、今後の成長が見込まれている。上映作品の多くは海外から輸入されたもので、2013年に上映が確認されている115本のうち、米国が約6割、韓国が約1割を占めた。
ベトナムでは2007年のWTO加盟以降、映画配給業への外資参入が可能となり、韓国系企業が配給や興行において積極的なビジネスを展開しているのが特徴。
日本映画の商業ベースでの劇場上映はまだ少ないものの、2010年以降は日本原作の実写映画やアニメ映画が上映され、現地で注目を集めている。
テレビ市場に目を向けると、無料の地上アナログ67局(2012年現在。2020年までに段階的にデジタル化)のほか、ケーブルテレビ、衛星放送(Direct to HomeTV、以下DTH)、モバイルテレビ、IPテレビといったテレビ放送があり、数多くのチャンネルで様々なコンテンツが提供されている。なかでも有料ケーブルテレビ(加入者数は2012年時点で約440万件)、DTH(同約97万件)の各局では、視聴者獲得のため魅力的なコンテンツを探しており、海外の映画、スポーツ、音楽等コンテンツを購入する動きも活発化している。
海外コンテンツの中でも韓国ドラマは高視聴率が期待できるとして各局において頻繁に放映されているが、そうした番組編成を再考する動きを指摘する声もある。ドラマのみならず、バラエティー番組のフォーマット、ドキュメンタリー番組、アニメ等、日本コンテンツの多様性を生かし、今後ベトナムにおけるビジネスを拡大していくことが期待される。
主な図表:・ベトナム映画配給会社リスト ・映画上映リスト (2011 - 2013) ・ベトナム主要テレビ局リスト ・ベトナムで放映された主な日本ドラマ ・アニメが多く放映されている主なテレビチャンネル
発行年月:2015年2月
作成部署:ジェトロ・コンテンツ産業課、ジェトロ・ハノイ事務所
総ページ数:45ページ
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記事番号:07001953