EUにおける残留農薬に関する規制(2015年2月)
最終更新日: 2015年02月17日
残留農薬に関する規制は各国が有しているため、日本の登録農薬や最大残留基準値(MRL)がそのまま適用されるわけではない。そこで本レポートでは、日本からEUへの農林水産物・食品輸出の一助とすることを狙いとして、EUの残留農薬規制をまとめた。
EUの残留農薬規制は、欧州議会・理事会規則(EC) No 396/2005によって定められており、日本と同様ポジティブリスト制をとっている。同規則の下で設定されたMRLは、EU域内で販売されるすべての食品・飼料に適用され、これはEU域外産の製品についても同様である。
残留農薬のポジティブリスト(農薬と作物の組み合わせ)は、同規則の付則II、IIIで定められており、付則IIは確定(definitive)ポジティブリスト、付則IIIは暫定(temporary)リストと呼ばれる。
付則IIの確定(definitive)ポジティブリストは、同規則の発効時に、2008年9月1日以前にEUレベルで規制されていた農薬のMRLのリストを統合したものである。一方、付則IIIの暫定(temporary)リストは、2008年9月1日以前に加盟国レベルで規制されていたもので、MRL の暫定(temporary)リストと呼ばれる。
これら付則II、IIIに掲載のない農薬・作物の組み合わせに対しては、原則一律基準(0.01mg/kg)が適用され、0.01mg/kg以外のMRLが適用されるものについては付則Vに記載されている。
また、MRLが設定されない農薬(消費者への潜在的リスクなどの点からMRLの設定は不要と判定された有効物質)は、付則IVで定められている。
これらポジティブリストは、欧州委員会が定期的に更新しているEU農薬データベース(MRL検索データベース)でも確認することができる。データベースの使い方やEUにおける残留農薬規制の詳細は、本レポートを参照されたい。
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主な図表:欧州議会・理事会規則(EC) No 396/2005のMRLに関する付則、MRL設定およびインポート・トレランスの申請の流れ、MRLの検索データベース、EUにおけるMRL分析サンプル検査の結果
発行年月:2015年2月
作成部署:ジェトロ農林水産・食品調査課、ジェトロ・ブリュッセル事務所
総ページ数:16ページ
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記事番号:07001937