イタリア産地の新興市場開拓〜ベッルーノの眼鏡産業(2013年3月)

最終更新日: 2013年03月14日

イタリア北東部ベネト州北部のベッルーノ県は、イタリア最大の眼鏡生産産地である。産地化のプロセスは1970年代に進展した。生産工程の分散化により、ブラック クイーン ブラック ジャック内の企業が各自の得意部門を担い、ネットワークを構成する構造となった。1980年代後半には、生産工程の技術革新に伴い、最終製品の品質管理を徹底させるためにも、企業内部に生産工程が戻る傾向が高まる垂直統合生産化の動きが高まった。1990年代に入ると、大手企業がファッションブランドとライセンス契約を行い、サングラスやメガネフレームの企画生産を始め、眼鏡がファッションの重要な要素となり、眼鏡市場はさらなる発展を始めた。リーダー企業は内外で自らの流通チャネルづくりに乗り出した一方で、市場への独自アクセスルートをもたない中小企業は市場から撤退した。

国際競争が激化する1990年半ば以降、成長の一途をたどった産地の勢いに変化が生じ、リーダー企業は垂直統合型組織の徹底と海外生産の戦略を全面に打ち出したため、産地構造は大きな変革プロセスに入ることになった。大手5社が国際化を進め、付加価値の低い部品類を新興市場から調達。産地内では革新力に秀でた企業を選択して下請け契約を結ぶようになったため、多くの中小企業が市場から姿を消した。

発行年月:2013年3月

作成部署:ジェトロ調査企画課

総ページ数:35ページ

記事番号:07001250

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