1年間の据え置き後利下げへ−ECBの金融政策−
最終更新日: 2004年03月30日
Report 06 1年間の据え置き後利下げへ−ECBの金融政策−
欧州中央銀行(European Central Bank(ECB);ドイツ・フランクフルト所在)が、ユーロ圏における統一的な金融政策を99年1月1日より開始して4年余りが経過した。
2002年初めの時点では、ECBは同年後半に「利上げ」を行うと予想されていた。ところが実際に行われたのは、同年12月の0.5ポイントの「利下げ」であった。2001年5月以降4回にわたる計1.50ポイントの政策金利の引き下げの後、1年にわたる据え置き期間を経て、ECBはまたしても「利下げ」へと動いたのである。
本レポートは、第1に、2002年の金融政策を振り返る。ECBの考えがいかに揺れ、どのように「利上げ」予想から「利下げ」予想へと変化したかをたどる。
第2に、ECBの金融政策の目的・戦略をめぐる議論について検討する。
第3に、ユーロの為替相場の動向を分析する。2002年を通じ、弱いユーロは強いユーロへと変貌した。その背景とユーロ圏経済に与える影響を探る。
第4に、ユーロ圏拡大に対するECBの体制整備について考察する。第2の点とともに、ECBが依然としていかに強い批判にさらされているかを見ることを通じて、統一通貨圏であるにもかかわらず、多数の主権国家から成っているユーロ圏経済の特質が照らし出されることとなろう。
第5に、ユーロ圏経済の今後の見通しおよび今後の金融政策の方向を展望する。
発行年月 :2003年05月
作成部署 :フランクフルト事務所
総ページ数:14ページ
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記事番号:05000377