レストランを開業する場合の現地法人設立手続き :シンガポール
質問
シンガポールに日本食レストランを開業します。現地法人設立手続きについて教えてください。
回答
I. 外資規制と労働許可
シンガポールでレストランなどの飲食業を開業することに対して、外資規制はなく、外資100%出資で法人を設立することができます。ただ、飲食業は外資誘致の奨励対象ではないため、経営者を除き、シェフとして日本人を派遣する場合、雇用許可証(Employment Pass:EPまたはS-Pass)の取得が極めて困難な状況にあり、学歴・職歴・給与などの最低要件を満たしている場合であっても、ビザの取得が保証されないことに注意が必要です。
II. 形態別(現地法人、支店、フランチャイズ)設立手続き
- 設立形態
- 現地法人、支店の設立
一般的には、支店より現地法人を設立した方が、税制面およびリスク管理面において、より現実的と言われています。その理由として、支店の場合、税法上は日本の本社と同一法人とみなされること、また訴訟などトラブルが生じた場合にその影響が日本の本社に直接及ぶことなどが挙げられます。現地法人および支店の設立手続きについては、無料 カジノ ゲーム外国企業の会社設立手続き・必要書類」を参照してください。 - フランチャイズ展開
シンガポールで飲食店をフランチャイズ展開するには、日本企業とフランチャイズビジネスの実績があることなど、選定基準を明確に設定し、現地のパートナーを見つけることが重要です。適切なパートナーを見つけ、その会社と直接ライセンス契約を締結するか、あるいはパートナーと合弁で法人を設立し、その合弁会社とライセンス契約を締結します。
- 現地法人、支店の設立
- 開業に必要な手続き
レストランを開業するためには、現地法人設立後に、以下の手続きが必要です。
- フードショップ・ライセンス(Food Shop Licence)の取得
レストランの開業には、国家環境庁(The National Environment Agency:NEA)からフードショップ・ライセンス(Food Shop Licence)を取得する必要があります[環境公共保健法(Environmental Public Health Act)〕。
ライセンスの概要は以下のとおりです。
- 申請資格(いずれか):
- シンガポール国民または永住権保有者
- 会計企業規制庁(The Accounting and Corporate Regulatory Authority:ACRA)に登記された法人
- 団体登記所(Registry of Societies:ROS)に登記された団体
- ライセンス料:195シンガポールドル
- 有効期間:1年間
なお、ライセンスの申請に先立ち、以下を準備する必要があります。
- レストラン店舗の確保、店舗レイアウトおよび設計図面の取得
- 調理に携わる食品取扱者全員が労働力開発局(Singapore Workforce Development Agency:WDA)の食品衛生コースを履修し、修了資格(WSQ Food & Beverage Safety and Hygiene Policies and Procedures)を保有すること
準備が整った後、NEAに、レストランの図面を提出、食品衛生コースの修了資格を保有した食品取扱者全員を登録し、ライセンスの申請を行います。
店舗レイアウトおよび設計が、NEAの規定する衛生上の「環境保健行動規範(Code of Practice on Environmental Health)」を満たす内容であれば許可が下ります。
- 申請資格(いずれか):
- アルコール販売の際の手続き
レストランでアルコール飲料を販売するには、酒類販売ライセンス(Liquor Licence)をシンガポール警察庁(Singapore Police Force:SPF)および酒類ライセンス局(Liquors Licensing Board:LLB)に事前に申請する必要があります(関税法の付属規定[Customs〔Liquors Licensing〕Regulations])。 - 調理済み食材を配送する際の手続き
シンガポール国内にセントラルキッチンを設け、調理済み食材を各レストランに配送する場合は、食品工場ライセンス(Food Processing Establishment Licence)を食品庁(Singapore Food Agency:SFA)に申請する必要があります(食品販売法〔Sale of Food Act〕)。 - 商号と異なる屋号による店舗展開の際の手続き
シンガポールで設立した法人の商号と異なる屋号の店舗を展開する際には、法人名義で事業主(Sole-Proprietorship)として屋号を登録する必要があります(Business Registration Act〔事業登録法〕)。 - 食材を自ら輸入する場合の手続き
肉類、魚介類、生鮮野菜、生鮮果実の輸入には、食品庁(SFA)から、また米の輸入には企業庁(Enterprise Singapore:ESG)から輸入ライセンスを取得する必要があります。なお、肉および肉製品については、AVA が承認した原産国および生産者からのみ輸入できます。
- フードショップ・ライセンス(Food Shop Licence)の取得
また、加工食品・什器を輸入する際には、輸入業者としてAVAに事前登録する必要があります。詳細は、無料 カジノ ゲーム輸出入手続」を参照してください。
関係機関
- 国家環境庁(The National Environment Agency:NEA)
- シンガポール警察庁(Singapore Police Force:SPF)
- 会計企業規制庁(The Accounting and Corporate Regulatory Authority:ACRA)
関係法令
- 環境公共保健法(Environmental Public Health Act)
- 関税法の付属規定(Customs〔Liquors Licensing〕R egulations)
- 食品販売法(Sale of Food Act)
- 事業登録法(Business Registration Act)
参考資料・無料 カジノ ゲーム
- 食品庁(SFA):
- フードショップ・ライセンスの申請手続き(英語)
- シンガポールにおける食品衛生基準(英語)
- 食品取扱者の登録制度について(英語)
- 食品工場ライセンスの申請手続き
- シンガポール警察庁(Singapore Police Force):
- 酒類販売ライセンスの申請手続き
- ジェトロ:
- 外国企業の会社設立手続き・必要書類
- 輸出入手続
調査時点:2015年8月
調査時点:2020年3月
記事番号: S-140202
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