BAF、CAFの意味と海上運賃の構成要素:日本
質問
海上運賃のBAF、CAFの意味と海上運賃の構成について教えてください。
回答
BAFは、燃料(重油)価格の変動に対して調整される割り増し料金のことです。また、CAFは、為替レートの変動に対して調整される割り増し料金のことです。
I. BAF(燃料費調整係数)
BAFは、Bunker Adjustment Factorの略で燃料費調整係数、いわゆる燃料割増料金のことで、燃料(重油)価格の変動に対して調整される割り増し料金です。航路によって異なる名称が使われることがあり、BS (Bunker Surcharge)、EBS (Emergency Bunker Surcharge)、EFAF (Emergency Fuel Adjustment Factor)、FAF (Fuel Adjustment Factor)などともいわれます。
BAFは一般的にトン当たり、あるいはコンテナ当たりで料金が決められます。 また、最近ではBAFの一環として窒素酸化物の排出量を規制している国向けのNOx Emission Surcharge、Carbon Tax Surcharge、Low Sulphur Fuel Surchargeといった割り増し料金が適用されることもあります。
II. CAF(通貨変動調整係数)
CAFは、Currency Adjustment Factorの略で通貨変動調整係数のことで、為替レートの変動に対して調整される割り増し料金です。CS (Currency Surcharge)とも呼ばれます。CAFは一般的に基本料金に対する割合(%)で価格が決められています。東南アジア航路などでは、日本円の高騰に対して課徴するYAS(Yen Appreciation Surcharge)も適用されます。
III. 海上運賃の構成
海上運賃は、基本運賃とBAF、CAFといった割り増し料金(Surcharge)で構成されます。船会社によってはBAF、CAFなどの割り増し料金込みの運賃体系を適用している場合もあります。
- BAF、CAF以外の割り増し料金
特定港の船が荷役中の船で混み合い滞船が長期化する場合に適用される船混み割増(Congestion Surcharge)や季節的な貨物量が激増する時に適用されるピーク・シーズン割増(Peak Season Surcharge)などがあります。 - コンテナ輸送にかかわる費用
ターミナルにおけるコンテナ取扱料金(Terminal Handling Charge: THC)、混載貨物の取扱料金(Container Freight Station Charge: CFS Charge)などがあります。
海上運賃は、船会社と航路により扱いが異なる可能性がありますので、詳しくは船会社にお問い合わせ下さい。
調査時点:2013/08
最新更新:2017/12
記事番号: A-010928
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