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質問
外国為替取引の先物為替予約と通貨オプションの違いを教えてください。
回答
「先物為替予約」とは、将来の一定の期日または期間を予約の実行日または期間と定めて、銀行と外貨の決済を行う為替レートをあらかじめ取り決めておく為替売買取引です。「予約」との語句がありますが、銀行との外国為替取引上では、「外国為替予約取引約定書」により、「売買取引」と規定しています。銀行と顧客との間であらかじめ売買価格(先物為替相場)を決めて約定します。一度予約すると原則、取消はできず、期日に受け渡し(予約の実行)の義務が生じます。このため銀行にとっては与信取引として取り扱われます。これに対して、「通貨オプション取引」とは、外国通貨を将来の一定時期(行使期間)にある価格(行使価格)で売買する権利を売買する取引のことを言います。
I. 通貨オプション取引
通貨オプション取引には以下の4通りの取引があります。
- コール・オプション(外貨を買う権利)の「買い」
- コール・オプション(外貨を買う権利)の「売り」
- プット・オプション(外貨を売る権利)の「買い」
- プット・オプション(外貨を売る権利)の「売り」
例えば円を対価にドルを買う権利は「円プット・ドルコール・オプション」、 円を対価にドルを売る権利は「ドルプット・円コール・オプション」と言います。
オプション取引の買い手は、期日になってから為替相場の動向を見ながら、購入した権利(外貨を買う権利、または外貨を売る権利)を「行使」(または「実行」)する、あるいは放棄するかの選択ができます。すなわち、「選択権」があります。一方、先物為替予約の場合には、予約実行日当日の為替レートが、既に締結済みの予約レートよりも自社にとって有利な水準になったとしても、これを理由に取消はできず、期日に実行しなければなりません。
これに対して通貨オプションを買った場合は、期日(オプション行使期日)の為替相場がオプション行使価格より有利になった場合、その権利を放棄できます。そのため、無料 カジノ ゲーム確保する対価としてプレミアム(「オプション・プレミアム」、「オプション料」、「オプション価格」など)を売り手に対して、あらかじめ契約時点で支払います。つまり、無料 カジノ ゲーム「行使」する、または、権利を「放棄」するかの選択ができる点で、先物為替予約とは決定的に異なります。
一方、通貨オプションの売り手は、買い手が権利を行使したら受けなければならない義務があります。その義務の対価として、権利の買い手からプレミアムをあらかじめ受け取ります。その場合、損失は理論上無限大になるため、オプションの売り手として参加する際は留意する必要があります。通貨オプションを為替リスク・ヘッジに使う場合は、買い手で参加する方が無難といえます。
II. 取引コスト・取引採算
先物為替予約については、予約締結時点で為替上のコスト・採算が確定します。例えば、米ドル建ての先物為替予約であれば、米ドルと円の二国通貨間の金利差と、予約に係る銀行マージン等のコストにより決まるので、その他の直接的な費用(手数料等)は必要ありません。
通貨オプション取引の場合、オプションの買い手は売り手に対し、権利の代金としてプレミアムを支払う必要があります。プレミアムの性格は、一種の保険料のようなものと言えます。プレミアムの水準は、現在の市場価格、行使価格、期日までの期間、金利、ボラティリティ(予測変動率)などの要因によって決定されます。
なお、オプションの買い手は、為替レートが当初の見込みに反して不利になった場合は、購入した権利を放棄することになりますが、権利放棄した場合の買い手の損失(売り手の利益)は、支払ったプレミアムが限度となります。半面、権利行使した場合の買い手の利益と売り手の損失は(理論上)無限大となります。
III. 実務面における両者の使い分け
実務面から使用を考えた場合、先物為替予約は、輸出取引に伴う受取外貨、または、輸入取引に伴う支払外貨の対価となる円貨金額の確定を行うことが最も重要な目的です。通貨オプションは、プレミアムという保険料をオプションの買い手が売り手に対して支払う代わりに、通常の先物為替予約より為替レートの先行きに対する変動予想やオプションの買い手と売り手の双方の思惑が入り混じった為替条件を得ることを目的としています。
このように為替先物予約も通貨オプションも外貨の債権・債務に対する為替変動リスクの軽減には有効な手法であり、それぞれに利用できる期間や仕組みについては様々な取り扱いが可能です。あらかじめ金融機関等に相談されることをお勧めします。
調査時点:2011/08
最終更新:2018/03
記事番号: A-010720
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