日本からの輸出に関する制度 牛肉の輸入規制、輸入手続き

ランピースキン病の発生に伴い、輸出可能な部位は骨なし骨格筋（横隔膜を含む）に限られます。最新情報は動物検疫所のウェブサイトを確認してください。

日本でのBSE発生を受け、2001年9月から日本からの生鮮牛肉は輸入停止措置が取られていましたが、2018年5月にオーストラリア政府当局との間で生鮮牛肉輸出条件が締結されました。これにより、「対オーストラリア輸出食肉の取扱要綱」に基づき申請を行い、輸出施設の認定要件（対米向け牛肉輸出施設に準じた要件）を満たしていると厚生労働省より認定を受けた施設からの同国向けの生鮮牛肉輸出が2018年6月13日より可能となりました。
対象は、日本において誕生し、継続的に飼養され、と畜された牛由来の食肉であり、月齢制限はありません。
輸出可能な部位は、牛に由来する食用の肉、骨および内臓等（心臓、食道、腹腔内臓器（生殖器官を除く）、 頭部の筋肉組織、横隔膜、尾および腱組織）です。ただし、脳、呼吸器、生殖器、乳房（およびその関連リンパ節）は除きます。

なお、次項の「常温保存可能な牛肉製品」（HSコード1602：50.00に該当）または「牛肉エキス」（HSコード1603：00.00に該当）は従来から輸入可能となっています。

対オーストラリア輸出食肉を取り扱うと畜場および食肉処理場は、厚生労働省から認定を受ける必要があります。認定の要件や手続き等については、「輸出食肉認定制度（厚生労働省）」に掲載されている「対オーストラリア輸出食肉の取扱要綱」を参照してください。

また、動物検疫所の輸出検査を受けるに先立ち、製造業者が、オーストラリア農業・水資源省に製造方法などについて申告し、輸入許可を取得する必要があります。詳細については、その他参考情報の「オーストラリア向け牛肉輸出に係る輸入許可取得に関する情報」を参照してください。

肉成分の含有率が5％未満のものはオーストラリア農業・水資源省（DAWR）による輸入許可が不要であり、肉成分の含有率が5％以上のものは同輸入許可を申請する必要があります。それぞれの場合の詳細な検疫条件や申請手続き・提出書類については「輸入時の検査」の動植物検査検疫を参照してください。

また、動物検疫所の輸出検査を受けるに先立ち、製造業者が、オーストラリア農業・水資源省に製造方法などについて申告し、輸入許可を取得する必要があります。詳細については、オーストラリア農業・水資源省にお問い合わせください。

肉成分の含有率が5％未満と5％以上のものはともに輸入許可を申請する必要がありますが、それぞれの場合に適用される検疫条件や提出書類が異なります。詳細は「輸入時の検査」の動植物検査検疫を参照してください。

また、動物検疫所の輸出検査を受けるに先立ち、オーストラリア国内の輸入者を通じてオーストラリア農業・水資源省に製造法などについて申告し、輸入許可を取得する必要があります。詳細については、オーストラリア農業・水資源省にお問い合わせください。

日本からの「生鮮牛肉」、「常温保存可能な牛肉製品」および「牛肉エキス」を輸出する場合、動物検疫が必要です。
またオーストラリア側では、日本から「常温保存可能な牛肉製品」または「牛肉エキス」の形で牛肉由来食品を輸出する場合、肉成分の含有率に応じて検疫条件、申請手続き、さらに提出書類が異なってきます。検疫検査は通関の際、これらの検疫条件の遵守を提出書類や包装表示によってチェックする形で実施されます。詳細は「輸入時の検査」を参照してください。

エサの摂取および生物濃縮により残留する農薬について、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード（FSANZ）のStandard1.4.2および、それに付属するSchedule 20、Schedule 21で残留許容基準が定められています。

Schedule 20では残留農薬基準（MRL）（食物中に存在する残留農薬対象）について100種類以上の化学物質別に、Schedule 21では外因性残留基準（ERL）について7種類の化学物質別に、それぞれ対象となる食品と各食品における化学物質の残留許容基準を設定しています。これらの基準はポジティブリスト形式で規定されており、各食品に該当する物質以外は使用・残留禁止となっています。

牛肉、牛肉エキスを含む製品は重金属および汚染物質規制の対象となります。オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード（FSANZ）のStandard 1.4.1および付属Schedule 19の以下の表で許容されるものとその許容条件（対象食品、上限）をポジティブリスト形式で規定しています。表に明記されている物質以外の汚染物質また有毒物質の含有は禁止されています。

牛肉、牛肉エキスを含む製品は食品添加物規制の対象となります。オーストラリアでは使用される食品添加物についてポジティブリスト制を採用しており、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード（FSANZ）のStandard 1.3.1によって、対象食品ごとに規定されています。許容食品添加物・着色料およびその上限基準は、次のStandard 1.3.1に付属するSchedule 15、Schedule 16で確認できます。

なお、枝肉の洗浄に食品添加物を用いる場合は、過酢酸製剤、亜塩素酸ナトリウムおよび 次亜塩素酸ナトリウムに限られています。また、食品衛生法（昭和22年 法律第233号）に基づく基準を遵守するとともに、次亜塩素酸ナトリウムについては、最終製品への最大残留量が、1.0mg/kg（有効塩素濃度として）を超えないように使用する必要があります。

全輸入食品共通の検疫条件として食品用の容器・包装に関しては、個々の包装は新品かつ昆虫、種子、土壌、泥、動植物の一部などの汚染物が付着していない清潔な容器でなければなりません。この検疫条件を満たさない場合、または包装が完全・清潔でない場合は、検疫検査・検疫処置の対象となることがあります。

次に、一部食品を対象にした検疫条件として、特定食品に対する容器の種類、性状や密封性に関する規制があります。これらに関しては「輸入通関手続き」および「動植物検査検疫」を参照してください。

最後に、食物安全・有害物質含有防止の観点からの食品包装規制として、オーストラリア・ニュージーランド食品基準（FSANZ）による規定と、プラスチックの食品接触用途に関するオーストラリア・スタンダード（AS 2070-1999）があります。

FSANZによる規定はさらに3つのスタンダードに大別されます。

プラスチックの食品接触用途に関するオーストラリア・スタンダード（AS 2070-1999）は新品および再生プラスチックの食品包装への使用に関して次のように規定しています。

新品プラスチック

1. 食品接触用途に使用される新品プラスチック材料は、次のいずれかの国際基準を満たすこと
   1. 米国Food and Drugs Administration（FDA）によるFederal Regulations 21CFR Parts 170-199の関連規定（関連修正案などを含む）
   2. 欧州委員会によるCommission Directives 89/109/EEC (Framework Directive) および 90/128/EEC（82/711/EEC および 85/572/EECなどの関連修正案などを含む）
2. 食品接触用途に使用される新品プラスチック材料に使用される着色料は欧州理事会によるResolution AP (89) 1, Resolution on the use of colourants in plastics materials coming into contact with food （関連修正案などを含む）を満たすこと

再生プラスチック

3. 一度一般消費者による使用、または印字を経た再生プラスチックは直接食品に接触する用途に利用しないこと
4. 新品プラスチックを用いた容器製造過程におけるリサイクルによって得られ、ほかのソースからのプラスチックによる混入がなくかつ新品プラスチックの規定1、2を満たす再生プラスチックのみを直接食品に接触する用途に利用すること

オーストラリアで販売する牛肉製品は、オーストラリア・ニュージーランド食品基準コード（FSANZ）および「原産地ラベリング情報に関する2016年基準法」により、次の項目の表示が義務付けられています。

また、認定と畜場等は、対オーストラリア輸出食肉の梱包には指定の事項を英語で表示する必要があります。詳しくは厚生労働省「輸出食肉認定制度」（ウェブサイト）の「対オーストラリア輸出食肉の取扱要綱」を確認してください。

調査時点：2017年9月

オーストラリアへ輸入される食品に関する安全・衛生規制は全てオーストラリア・ニュージーランド食品基準コード（FSANZ）によって規定されています。牛肉製品の場合、該当する項目は前述の「残留農薬規制」「重金属および汚染物質」「食品包装規制」と同一です。

まず、共通して必要な書類として、次の情報を含む通関書類を提出すること。

さらに、一部の品目に関しては、輸入許可の事前申請をオンラインで提出する必要があります。輸入許可の申請に当たっては、各品目別に提供される検疫条件の遵守を示す追加書類が必要になります。詳しくは「輸入時の検査」および「販売許可手続き」を参照してください。

「生鮮牛肉」

カジノ 無料要です。申請の際は「輸出証明書（輸出検疫証明書およびその添付書類）」を添えて、「根拠法等」に記載の「オーストラリア輸入検疫条件」当該URL先のページ一番下にある「Apply Now」リンクから行います。

「常温保存可能な牛肉製品」（肉成分の含有率が5％未満）

オーストラリア農業・水資源省（DAWR）による輸入許可は必要ありません。
ただし、次の条件を満たす必要があります。

1. 製品名を明記した製造者申告書（Manufacturer's declaration）、インボイスまたは製品ラベル表記のいずれかにおいて、次の条件を満たすことを書面で示すこと：
   1. 肉成分の含有率が5％未満であること
   2. 商業的に製造・包装された製品であること
   3. 保存食品であり、かつ保存処理後に包装を開封されていないこと
   4. 包装開封前に、冷凍または冷蔵による保存の必要がないこと

「常温保存可能な牛肉製品」（肉成分の含有率が5％以上）

カジノ 無料要です。申請の際は次の検疫条件を満たすことを証明する書類を添えて、「根拠法等」に記載の「オーストラリア輸入検疫条件」当該URL先のページ一番下にある「Apply Now」リンクから行います。

1. 次の申告内容を明記した、日本の農林水産省発行の「衛生証明書（輸出検疫証明書）」：
   1. 含有される牛肉成分は日本国内で生まれ、生育し、と畜されたウシ科動物由来のものであること
   2. 当該ウシ科動物は生前およびと畜後における公的検査人立ち合いのもとの獣医学検査により、人間の食用に適するとの認定を受けたこと
2. 次の条件を満たすことを明記した申告書：
   1. 当該最終製品は保存処理を受けたものであり、その過程において中心温度が摂氏100度以上となるような加熱処理を受けて最低2.8のF0値を実現したこと
   2. 当該最終製品は1.の保存処理を受けた当時から一貫して同一の密封容器に保存された状態で輸入されていること
      かつ、当該密封容器には、製造施設識別番号またはバッチコードがスタンプ印字などの形で永久的に記載されていること

「牛肉エキス」（肉成分の含有率が5％未満）

カジノ 無料要です。申請の際は次の検疫条件を満たすことを証明する書類を添えて、「根拠法等」に記載の「オーストラリア輸入検疫条件」の当該URL先のページ一番下にある「Apply Now」リンクから行います。

1. 次の申告内容を含む「meat based flavours product questionnaire」質問票（所定書式あり。「根拠法等」に記載の「オーストラリア輸入検疫条件」のページにアクセスし、“Meat based flavours for human consumption”と入力。質問事項に回答し、最後に表示されるページにある「meat based flavours product questionnaire」のリンクからダウンロード可能）に記入すること
   1. 含有される全成分（添加した「水」を含む）
   2. 全動物成分の由来動物種、原産国（当該成分採取時に当該動物が生育している国）、加熱処理方法（中心温度とそれが維持された時間）、加熱処理を行った国
2. 次の条件を満たすことを明記した製造者申告書：
   1. 当該牛肉エキス製品に含まれる肉成分は摂氏100度以上の中心温度が30分以上維持されるような加熱処理を受けたこと
   2. 当該牛肉エキス製品に含まれる肉成分の含有率は5％未満であること
3. 次の申告内容を明記した、日本の農林水産省発行の「衛生証明書（輸出検疫証明書）」：
   含有される牛肉成分は日本国内で生まれ、生育し、と畜されたウシ科動物由来のものであること

「牛肉エキス」（肉成分の含有率が5％以上）

カジノ 無料要です。申請の際は次の検疫条件を満たすことを証明する書類を添えて、「根拠法等」に記載の「オーストラリア輸入検疫条件」当該URL先のページ一番下にある「Apply Now」リンクから行います。

1. 次の申告内容を含む「meat based flavours product questionnaire」質問票（所定書式あり、別添資料参照）に記入すること
   1. 含有される全成分（添加した「水」を含む）
   2. 全動物成分の由来動物種、原産国（当該成分採取時に当該動物が生育している国）、加熱処理方法（中心温度とそれが維持された時間）、加熱処理を行った国
2. 次の条件を満たすことを明記した製造者申告書：
   当該牛肉エキス製品は単離できるような固形肉片を含まないこと
3. 次の申告内容を明記した、日本の農林水産省発行の「輸出検疫証明書」：
   1. 肉成分の由来動物種
   2. 含有される牛肉成分は日本国内で生まれ、生育し、と畜されたウシ科動物由来のものであること
   3. 肉成分が加熱処理を受けた日付
   4. 肉成分の加熱処理を行った施設が所在国の獣医学許可・食品衛生許可を受けていることを示す情報、およびその識別番号や許可書番号
   5. 肉成分の由来動物が生前およびと畜後の獣医学的検査により、感染症にり患していないとの認定を受けたこと
   6. 肉成分の加熱処理では摂氏100度を超える中心温度が30分以上維持されたこと
   7. 当該牛肉エキス製品は新しく清潔な包袋、ラップまたは容器によって包装されていること
   8. 当該牛肉エキス製品の包装外面に視認できる形で、肉成分の加熱処理を行った施設を特定できる識別番号またはバットコードが表示されており、かつその表示は非破壊的な手段では取り除けないこと
   9. 当該牛肉エキス製品は輸出前に汚染物質に晒されていないこと
   10. 当該牛肉エキス製品は輸出時点で清潔かつ開封されていない容器に包装されていること

規制対象ではありますが、特に通関の際の検査規定はありません。

規制対象ではありますが、特に通関の際の検査規定はありません。

オーストラリア国内において牛肉製品の販売を規制する法規は特にありません。

なし

調査時点：2018年5月

オーストラリアに輸入される日本産の牛肉および牛肉製品は、関税を免除されます。

GST（商品・サービス税）が付加価値税（VAT）に該当します。オーストラリア国内で消費される商品のうち、コメや生鮮食品、小麦粉など生活を維持するために最低限必要な食糧品などの一部例外を除き、ほぼすべての商品・サービスに課されます。

GSTはFOB価格、海上／航空運賃、関税、保険を合わせた金額に対して10％が課されます。

調査時点：2017年9月

調査時点：2017年9月

なし