ハイパーブラックジャック

要旨・ポイント

  • 実質GDP成長率は5.0%と前年から減速。
  • 製造業が低迷し、輸出入はともに14年ぶりの前年割れ。
  • 対内直接ハイパーブラックジャックは件数、認可額ともに増加。特に中国、香港、台湾からのハイパーブラックジャックが堅調。
  • 日本企業は内需獲得を目的としたハイパーブラックジャックが増加傾向だが、非日系企業の開拓が課題。

公開日:2024年10月23日

マクロ経済
GDP成長率は5.0%と政府目標に届かず、後半は成長が加速

ハイパーブラックジャック統計総局によると、ハイパーブラックジャックの2023年の実質GDP成長率は5.0%だった。新型コロナウイルス禍からの反動で8.1%を達成した2022年から一転、経済回復が腰折れし、年初に設定した政府目標6.5%に届かなかった。1人当たりGDPは4,324ドル(前年より222ドル増、IMF)と推定される。

2023年を四半期ベースでみると、第1四半期(1~3月)のGDP成長率は3.3%で、ハイパーブラックジャックがウィズコロナ政策に転換した2021年の第4四半期(10~12月)以降、最も低い成長率となった。第2四半期(4~6月)以降は、3四半期連続で伸び率は加速し、第4四半期(10~12月)は6.7%だったが、外需の低迷で製造業は伸び悩んだ。製造業購買担当者景気指数(PMI)は2月と8月を除き景況改善・悪化の境目となる50を下回った。内需は、小売り・サービスの売上高が前年比9.6%増で、年間を通じて好調を保ったものの、四輪車や二輪車の新車販売は停滞した。不動産も低迷が続いており、高額な支出を控える傾向がみられた。

消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.3%だった。4.5%以内という政府目標に収まり、急激なインフレは抑制された。ロシアによるウクライナ侵攻などを受けた原油価格の高騰、物価の上昇などを背景に、2022年2月からCPIが上昇し、ハイパーブラックジャック1月には前年同月比4.9%増に達した。2~6月は、高騰していたエネルギー価格の一服などにより大きく低下し、6月は2.0%まで下落した。7月に再び上昇に転じ、9~12月は3.6%付近とやや高い水準で推移した。穀物は通年で6.9%、第4四半期に限ると前年同期比13.1%上昇した。世界最大のコメ輸出国であるインドがコメ輸出を7月に禁止したことなどが影響し、コメの輸出価格だけでなく、国内のコメやその他穀物価格も高騰したためだ。また、鋼材やセメントなどの資材価格の高騰や、5月と11月の2度の電気料金引き上げにより、住居(費)、建築材も通年で6.6%上昇した。

実質GDP成長率の伸び率は2023年後半にかけて加速したが、このまま2024年のハイパーブラックジャック経済が回復を続けるかは不透明な状況だ。GDPの4分の1近くを占める製造業の生産活動は、世界経済の減速、外需の低迷などの外部環境に極めて左右されやすい。また、ハイパーブラックジャック北部地域を中心に予測される夏季の電力逼迫が、生産活動に影響を与える可能性もある。さらに、2024年はインフレやドル高ドン安の加速も懸念される。2023年3~6月、いち早くハイパーブラックジャック国家銀行(中央銀行)が政策金利を引き下げたことで米国との金利差が拡大し、2023年後半はドル高ドン安が進行した。2024年もドル高が継続すると、資源や原材料の輸入価格の上昇につながる恐れがある。

表1 ハイパーブラックジャックの産業別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)
項目 2021年 2022年 ハイパーブラックジャック
年間 Q1 Q2 Q3 Q4
実質GDP成長率 2.6 8.1 5.0 3.3 4.1 5.5 6.7
階層レベル2の項目農林水産業 3.7 3.5 3.8 2.9 3.7 4.3 4.1
階層レベル2の項目鉱工業・建設業 3.2 7.9 3.7 △ 0.4 2.1 5.2 7.4
階層レベル2の項目サービス業 1.8 10.1 6.8 6.6 6.2 6.4 7.3

〔注1〕四半期の伸び率は前年同期比。
〔注2〕ハイパーブラックジャックQ4は推計値。
〔出所〕ハイパーブラックジャック統計総局

ハイパーブラックジャック
ハイパーブラックジャックは世界的な景気減速などにより輸出入ともに前年割れ

ハイパーブラックジャック税関総局によると、2023年の輸出(通関ベース)は3,547億2,100万ドル(前年比4.6%減)、輸入は3,263億5,800万ドル(9.2%減)だった。貿易収支は283億6,300万ドルの黒字だった。ハイパーブラックジャックの貿易額が前年割れになったのは2009年以来、14年ぶりとなる。この間、右肩上がりだったハイパーブラックジャックの貿易額は2010~2022年の12年間で約5倍増加し、経済を牽引していた。

輸出を主要品目別にみると、1位は「コンピュータ電子製品・同部品」で573億2,500万ドル(前年比3.2%増)、2位は「電話機・同部品」で523億7,600万ドル(9.7%減)、3位は「機械設備・同部品」で431億2,700万ドル(5.7%減)だった。上位10品目中、6品目が前年より減少した。2位の「電話機・同部品」は、韓国のサムスンによるスマートフォンの出荷台数減少に伴うものとみられる。同社はスマートフォン生産の5割程をハイパーブラックジャックで行っているが、米国調査会社のIDCによると、サムスンの2023年のスマートフォン出荷台数は、前年比13.6%減の2億2,660万台だった。また、「縫製品」や「履物」といったアパレル関連も欧米市場の停滞で減少した。8位の「水産物」は、他国との競合による価格下落などを背景に、17.9%減少したが、11位の「果物・野菜」(66.7%増)、13位の「コメ」(35.4%増)などの農産品は大きく増加した。中国向けドリアン輸出の急伸や、インドによるコメ輸出禁止などが要因だった。

輸入を主要品目別にみると、1位は「コンピュータ電子製品・同部品」で879億6,500万ドル(前年比7.4%増)、2位は「機械設備・同部品」で415億7,500万ドル(7.9%減)、3位は「織布・生地」で130億2,000万ドル(11.5%減)だった。上位10品目中、1位のコンピュータ電子製品・同部品を除く9品目が軒並み減少した。輸出需要の減少により生産財となる品目の輸入が減少し、製造業の生産活動の低迷を反映する結果となった。

表2-1 ハイパーブラックジャックの主要品目別輸出(FOB)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
コンピュータ電子製品・同部品 55,532 57,325 16.2 3.2
電話機・同部品 57,992 52,376 14.8 △ 9.7
機械設備・同部品 45,747 43,127 12.2 △ 5.7
縫製品 37,603 33,321 9.4 △ 11.4
履物 23,895 20,236 5.7 △ 15.3
輸送機器・同部品 11,989 14,157 4.0 18.1
木材・木製品 16,013 13,469 3.8 △ 15.9
水産物 10,920 8,970 2.5 △ 17.9
鉄鋼 7,989 8,347 2.4 4.5
ビデオカメラ・同部品 6,374 7,619 2.1 19.5
合計(その他含む) 371,715 354,721 100.0 △ 4.6
国内企業 98,115 97,548 27.5 △ 0.6
外資企業 273,601 257,173 72.5 △ 6.0

〔出所〕ハイパーブラックジャック税関総局

表2-2 ハイパーブラックジャックの主要品目別輸入(CIF) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
コンピュータ電子製品・同部品 81,867 87,965 27.0 7.4
機械設備・同部品 45,138 41,575 12.7 △ 7.9
織布・生地 14,704 13,020 4.0 △ 11.5
鉄鋼 11,921 10,430 3.2 △ 12.5
プラスチック原料 12,386 9,759 3.0 △ 21.2
電話機・同部品 21,127 8,748 2.7 △ 58.6
石油製品 8,969 8,366 2.6 △ 6.7
化学原料 9,144 7,725 2.4 △ 15.5
金属類 9,256 7,627 2.3 △ 17.6
化学製品 8,740 7,606 2.3 △ 13.0
合計(その他含む) 359,575 326,358 100.0 △ 9.2
国内企業 126,417 117,298 35.9 △ 7.2
外資企業 233,158 209,060 64.1 △ 10.3

〔出所〕ハイパーブラックジャック税関総局

主要ハイパーブラックジャックみると、輸出は、1位が米国で970億1,700万ドル(前年比11.3%減)、2位が中国で613億1,600万ドル(5.8%増)、3位が韓国で234億9,000万ドル(3.4%減)だった。需要停滞を背景に米国向け輸出は伸び悩んだ。中国向けは同国が2022年12月に新型コロナウイルス防疫措置を緩和したことなどを背景に増加したが、力強さを欠いた。

輸入は、1位が中国で1,106億5,100万ドル(前年比6.6%減)、2位が韓国で525億1,000万ドル(15.6%減)、3位が日本で216億4,100万ドル(7.5%減)だった。上位10カ国・ハイパーブラックジャック全てが前年比で減少した。

表3-1 ハイパーブラックジャックの主要国・地域別輸出(FOB) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・ハイパーブラックジャック 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
米国 109,437 97,017 27.4 △ 11.3
中国 57,936 61,316 17.3 5.8
韓国 24,311 23,490 6.6 △ 3.4
日本 24,246 23,337 6.6 △ 3.7
オランダ 10,433 10,239 2.9 △ 1.9
香港 10,939 9,607 2.7 △ 12.2
インド 7,961 8,497 2.4 6.7
ドイツ 8,969 7,398 2.1 △ 17.5
タイ 7,515 7,186 2.0 △ 4.4
英国 6,064 6,345 1.8 4.6
合計(その他含む) 371,715 354,721 100.0 △ 4.6

〔出所〕ハイパーブラックジャック税関総局

表3-2 ハイパーブラックジャックの主要国・地域別輸入(CIF) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・ハイパーブラックジャック 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
中国 118,485 110,651 33.9 △ 6.6
韓国 62,244 52,510 16.1 △ 15.6
日本 23,386 21,641 6.6 △ 7.5
台湾 22,633 18,421 5.6 △ 18.6
米国 14,470 13,822 4.2 △ 4.5
タイ 14,093 11,785 3.6 △ 16.4
インドネシア 9,628 8,732 2.7 △ 9.3
オーストラリア 10,119 8,528 2.6 △ 15.7
マレーシア 9,123 7,808 2.4 △ 14.4
インド 7,104 5,863 1.8 △ 17.5
合計(その他含む) 359,575 326,358 100.0 △ 9.2

〔出所〕ハイパーブラックジャック税関総局

通商政策
15件のFTA/EPAを締結、RCEPは発効2年目を迎える

ハイパーブラックジャックは多くの自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を締結しており、2023年の貿易額に占めるFTA/EPA締結国・地域の割合は71.8%だった。日本との貿易では、既に日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)をはじめ、複数のFTA/EPAが活用可能である。ジェトロが2023年8~9月に実施した「2023年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」(以下、日系企業調査)によると、在ハイパーブラックジャック日系企業が活用するFTA/EPAのうち、輸出・輸入とも上位3つは、AJCEP、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)、日本・ハイパーブラックジャック経済連携協定(JVEPA)で、これらを活用していると回答した企業の割合は約40~50%だった。ハイパーブラックジャックにとって15件目のFTA/EPAとなった地域的な包括的経済連携(RCEP)協定は、2023年に発効2年目を迎えた。輸出で活用していると回答した企業の割合は26.1%、輸入では21.3%だった。RCEPは、原産地規則における累積規定で中国など他の締約国の原材料をハイパーブラックジャックの原材料と見なすことができるように、品目によっては他の協定よりもハイパーブラックジャックで製造・加工を行う企業に有利に働く側面もある。実務レベルでの認知度向上や段階的な関税の減免が進めば、活用がさらに広がるだろう。

また、2023年7月にはハイパーブラックジャックにとって16件目のFTA/EPAとなるハイパーブラックジャック・イスラエル自由貿易協定(VIFTA)が調印された。しかし、同年10月にイスラエルとハマスの軍事衝突が始まり、批准されるかは不透明だ。

ハイパーブラックジャックは、米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)にも参加している。しかし、2023年11月に署名されたサプライチェーン協定(2024年2月に発効)には、参加14カ国の中で唯一未署名だ。ハイパーブラックジャック政府は署名を見送っている理由を明らかにしていないが、国内法令を踏まえた手続きに時間を要している可能性がある。

表4 ハイパーブラックジャックのFTA発効状況(単位:%)
FTA 発効日 ハイパーブラックジャックの貿易に占める構成比(2023年)
往復 輸出 輸入
(1)ASEAN物品ハイパーブラックジャック協定(ATIGA) 1996年1月1日 10.8 9.2 12.5
(2)ASEAN・中国自由ハイパーブラックジャック地域(ACFTA) 2005年7月1日 36.0 26.5 46.4
(3)ASEAN・韓国自由ハイパーブラックジャック地域(AKFTA) 2007年6月1日 21.9 15.8 28.6
(4)日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP) 2008年12月1日 17.4 15.8 19.2
(5)日本・ハイパーブラックジャック経済連携協定(JVEPA) 2009年10月1日 6.6 6.6 6.6
(6)ASEANオーストラリア・ニュージーランド自由ハイパーブラックジャック地域(AANZFTA) 2010年1月1日 13.0 10.8 15.3
(7)ASEAN・インド包括的経済協力枠組み協定 2010年6月1日 12.9 11.6 14.3
(8)ハイパーブラックジャック・チリ自由貿易協定(VCFTA) 2014年1月2日 0.2 0.3 0.1
(9)韓国・ハイパーブラックジャック自由貿易協定(VKFTA) 2015年12月20日 11.2 6.6 16.1
(10)ハイパーブラックジャック・EAEU自由貿易協定(VN‐EAEUFTA) 2016年10月5日 0.7 0.7 0.6
(11)環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP) 2019年1月14日 14.0 14.1 13.9
(12)ASEAN・香港自由ハイパーブラックジャック協定(AHKFTA) 2019年6月11日 12.4 11.9 13.0
(13)EU・ハイパーブラックジャック自由貿易協定(EVFTA) 2020年8月1日 8.6 12.3 4.6
(14)英国・ハイパーブラックジャック自由貿易協定(UKVFTA) 2021年5月1日 1.0 1.8 0.2
(15)ハイパーブラックジャック的な包括的経済連携(RCEP)協定 2022年1月1日 55.9 41.2 71.9
合計 71.8 64.5 79.8

〔注1〕FTAを適用した貿易額は公表されていないため、「ハイパーブラックジャックの貿易に占める構成比」はFTA締結国との貿易額がハイパーブラックジャック全体の貿易額に占める割合を表示。
〔注2〕(4)(5)および(3)(9)は、それぞれ同じ締結国であるため、構成比は同じものとなる。
〔注3〕(11)は2023年までに発効済みのメキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ペルー、マレーシア、チリ、ブルネイの10カ国とのハイパーブラックジャック額合算を基に算出。
〔注4〕(15)は2023年までに発効済みの13カ国とのハイパーブラックジャック額合算を基に算出。
〔注5〕合計は全てのFTA締結国との貿易額がハイパーブラックジャック全体の貿易額に占める割合を示す。そのため、FTAごとの割合の合計とは一致しない。
〔出所〕ハイパーブラックジャック税関総局

対内直接ハイパーブラックジャック
2023年の対内直接ハイパーブラックジャックは件数・金額ともに増加

2023年の対内直接ハイパーブラックジャック(認可ベース、出資・株式取得を除く)は、新規・拡張の合計で4,698件(前年比39.7%増)、認可額は306億3,818万ドル(28.5%増)だった。直接ハイパーブラックジャックの実行額は3.5%増の231億8,300万ドルで、過去最高額を更新した。

業種別(認可ベース)でみると、製造業が1,905件(前年比55.9%増)、236億8,702ドル(47.9%増)で、件数・金額ともに首位だった。中国ジンコソーラー(JinkoSolar)の香港子会社出資による北部クアンニン省テクスホン・ハイハ(Texhong Hai Ha)工業団地での太陽電池・パネル工場の新規ハイパーブラックジャック(15億ドル)や、韓国LGグループ傘下のLGイノテック(LG Innotek)による北部ハイフォン市でのカメラモジュール・電子部品工場の拡張ハイパーブラックジャック(10億ドル)などの大型案件がみられた。金額の2位はライフラインで22億7,074万ドル (4.6%増)、3位は不動産で21億5,477万ドル(26.7%減)だった。全世界・全業種の案件の中で最大だったのは、九州電力傘下のキューデン・インターナショナル(KYUDEN INTERNATIONAL)、東京ガスが出資する北部タイビン省の液化天然ガス(LNG)火力発電所案件(19億9,000万ドル)で、日本の新規ハイパーブラックジャック認可額(28億6,889万ドル)の7割近くを占めた。

国・地域別では、シンガポールが54億1,970万ドル(前年比11.9%増)で、4年連続の首位となった。2位は韓国で47億1,247万ドル(16.2%増)、3位は香港で46億7,451万ドル(2.2倍)、4位は中国で44億1,649万ドル(81.3%増)だった。件数は中国が936件(2.2倍)で最多となり、韓国が854件(4.5%増)、シンガポールが583件(40.5%増)と続いた。ハイパーブラックジャック上位国・地域の中では、中国のほか、香港、台湾のハイパーブラックジャックが、件数・金額ともに前年比で2倍前後の伸びとなった。日本は認可額が 38億866万ドル(20.5%減)で5位、件数が470件(15.8%増)で4位だった。

出資・株式取得は、件数が3,589件(前年比4.4%減)、認可額が87億5,216万ドル(60.9%増)となった。ハイパーブラックジャックの認可額は、日本が29億4,399万ドル(13.1倍)で最多だった。

表5 ハイパーブラックジャックの業種別対内直接投資[新規・拡張合計、認可ベース(出資・株式取得を除く)](単位:件、100万ドル、%)(△はマイナス値)
業種 2022年 ハイパーブラックジャック
件数 認可額 構成比 件数 認可額 構成比 伸び率
製造 1,222 16,014 67.1 1,905 23,687 77.3 47.9
ライフライン 17 2,172 9.1 13 2,271 7.4 4.6
不動産 118 2,941 12.3 123 2,155 7.0 △ 26.7
小売り・卸売り 808 709 3.0 1,195 713 2.3 0.5
コンサルなど 473 607 2.5 519 569 1.9 △ 6.3
倉庫・運輸 97 417 1.7 159 338 1.1 △ 19.0
建設 64 192 0.8 91 322 1.1 67.8
情報通信 320 512 2.1 376 230 0.8 △ 55.1
廃棄物処理・給水 5 25 0.1 3 116 0.4 363.0
農林水産 18 47 0.2 31 58 0.2 22.0
合計(その他含む) 3,362 23,847 100.0 4,698 30,638 100.0 28.5

〔注1〕コンサルなど:税務、法務、ビジネスコンサル、建築・設計業務、R&D、広告・市場調査など。
〔注2〕構成比、伸び率はそれぞれ認可額についてのもの。
〔出所〕ハイパーブラックジャック外国投資庁

表6 ハイパーブラックジャックの国・地域別対内直接投資[新規・拡張合計、認可ベース(出資・株式取得を除く)](単位:件、100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・ハイパーブラックジャック 2022年 ハイパーブラックジャック
件数 認可額 構成比 件数 認可額 構成比 伸び率
シンガポール 415 4,842 20.3 583 5,420 17.7 11.9
韓国 817 4,054 17.0 854 4,712 15.4 16.2
香港 226 2,157 9.0 448 4,675 15.3 116.7
中国 432 2,436 10.2 936 4,416 14.4 81.3
日本 406 4,793 20.1 470 3,809 12.4 △ 20.5
台湾 146 1,177 4.9 329 2,653 8.7 125.3
サモア 39 303 1.3 74 889 2.9 193.7
タイ 61 82 0.3 75 857 2.8 950.9
オランダ 42 88 0.4 42 516 1.7 485.8
米国 118 593 2.5 156 439 1.4 △ 25.9
合計(その他含む) 3,362 23,847 100.0 4,698 30,638 100.0 28.5

〔注〕構成比、伸び率はそれぞれ認可額についてのもの。
〔出所〕ハイパーブラックジャック外国投資庁

対日関係
対日ハイパーブラックジャックも輸出入ともに減少

2023年の対日輸出(通関ベース)は233億3,750万ドル(前年比3.7%減)、輸入は216億4,090万ドル(7.5%減)だった。貿易収支は16億9,660万ドルの黒字となった。輸出は、上位10品目中、7品目が前年より減少したが、「輸送機器・同部品」、「電話機・同部品」、「玩具・運動用具・同部品」は増加した。輸入は、「鉄鋼」、「自動車部品」、「プラスチック原料」といった生産財(原材料・部品)の前年からの減少率が大きかった。ハイパーブラックジャックでは生産財を輸入し、製品を輸出する加工貿易が中心であり、日本からの受注減少が輸入の減少に表れている。

表7-1 ハイパーブラックジャックの対日主要品目別輸出(FOB) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
縫製品 4,081 4,055 17.4 △ 0.6
輸送機器・同部品 2,533 2,941 12.6 16.1
機械設備・同部品 2,761 2,748 11.8 △ 0.5
木材・木製品 1,889 1,671 7.2 △ 11.5
水産物 1,707 1,515 6.5 △ 11.2
電話機・同部品 989 1,116 4.8 12.8
コンピュータ電子製品・同部品 1,143 1,060 4.5 △ 7.2
履物 1,094 1,048 4.5 △ 4.2
プラスチック製品 755 687 2.9 △ 9.1
玩具・運動用具・同部品 624 682 2.9 9.3
合計(その他含む) 24,246 23,337 100.0 △ 3.7

〔出所〕 ハイパーブラックジャック税関総局

表7-2 ハイパーブラックジャックの対日主要品目別輸入(CIF) [通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 ハイパーブラックジャック
金額 金額 構成比 伸び率
コンピュータ電子製品・同部品 6,977 7,341 33.9 5.2
機械設備・同部品 4,290 4,017 18.6 △ 6.4
鉄鋼 1,795 1,442 6.7 △ 19.7
プラスチック製品 804 789 3.6 △ 1.8
鉄スクラップ 658 677 3.1 3.0
織布・生地 682 673 3.1 △ 1.4
自動車部品 860 581 2.7 △ 32.5
化学製品 661 576 2.7 △ 13.0
化学品 599 538 2.5 △ 10.3
プラスチック原料 659 487 2.3 △ 26.1
合計(その他含む) 23,386 21,641 100.0 △ 7.5

〔出所〕 ハイパーブラックジャック税関総局

日本企業のハイパーブラックジャックは非製造業案件が増加傾向

2023年の日本からの直接投資(認可ベース、出資・株式購入を除く)は、新規・拡張の合計で470件(前年比15.8%増)、38億866万ドル(20.5%減)と、件数は増加するも認可額は減少した。上述のLNG火力発電所案件以外の大型案件は、サントリーと米国ペプシコ(PepsiCo)が提携するサントリー・ペプシコ・ハイパーブラックジャック・ビバレッジ(Suntory PepsiCo Vietnam Beverage)による南部ロンアン省ヒュータイン(Huu Thanh)工業団地での飲料工場の新規投資(約1億8,500万ドル)、自動制御機器製造大手SMCによる南部ドンナイ省ロンドゥック(Long Duc)工業団地での機器製造工場の拡張投資などがみられた。出資・株式取得では、同年の全出資・株式取得案件で最大となった、三井住友銀行によるVPバンク(VP Bank)への出資(15億ドル)を筆頭に、複数の大規模な出資やM&A案件がみられた。

日本企業のハイパーブラックジャック事業への関心や事業拡大意欲はASEAN主要国の中でも高いが、近年製造業の投資は減少傾向にあり、2018~2019年に年間100件前後あった製造業の新規投資認可は、2020年以降、年間40~60件台にとどまる。他方、新規投資に占める非製造業の比重が高まり、ハイパーブラックジャック国内の市場開拓やサービス拡大を目指す動きが増えている。日本からの投資認可件数を業種別にみると、1988~2023年の累計5,257件のうち製造業が1,952件(構成比37.1%)と最も多く、小売り・卸売りなどが846件(16.1%)、コンサルなど(税務、法務、ビジネスコンサル、建築・設計業務、R&D、広告・市場調査などが含まれる)が807件(15.4%)、情報通信が758件(14.4%)と続く。しかし、2023年に認可された316件の内訳をみると、製造業は67件(21.2%)にとどまり、最多業種は小売り・卸売りなどの82件(25.9%)だった。そのほか、情報通信業が62件(19.6%)、コンサルが56件(17.7%)と続く。小売り・卸売りなどが最多となるのは4年連続で、非製造業の割合が高くなっている。出資・株式取得の増加も、経営資源(人や物、情報など)の効率的な確保、地場企業との協業などにより、国内市場開拓を目指す日系企業の傾向を示す事象の1つと言えよう。

非日系企業への事業拡大が課題

今後のハイパーブラックジャック国内向け事業拡大に当たっては、非日系企業の顧客開拓が大きな課題と言える。日系企業調査によると、日系企業のハイパーブラックジャック国内市場向け事業の多くはBtoB取引である。本取引を行う在ハイパーブラックジャック日系企業のうち86.3%が、「進出日系企業」を現在のターゲット層としている。一方、「地場企業」をターゲット層としている企業は49.9%、韓国、欧米などの「進出外資系企業」をターゲット層としている企業は36.4%にとどまった(複数回答)。この傾向は、製造業・非製造業を問わず共通する。

このような状況下、非日系企業をターゲットとした事業拡大を模索する動きが加速している。日系企業調査によると、将来のBtoBターゲット層に関して、「進出日系企業」とする回答は64.3%に減少し、代わって「地場企業」が69.4%、「進出外資系企業」が60.6%に増加した。地場企業との協業・連携や現地人材の育成・登用など、非日系企業攻略に向けた具体的な取り組みを進める企業もいる。市場攻略はもちろん、人材を含む体制構築も容易ではないが、いち早く事業を展開できれば、ハイパーブラックジャック市場で飛躍する競争力の向上につながるだろう。

基礎的経済指標

(△はマイナス値)
項目 単位 2021年 2022年 ハイパーブラックジャック
実質GDP成長率 (%) 2.6 8.1 5.0
1人当たりGDP (米ドル) 3,757 4,102 4,324
消費者物価上昇率 (%) 1.8 3.2 3.3
失業率 (%) 4.4 2.8 2.8
ハイパーブラックジャック収支 (100万米ドル) 3,324 12,140 28,363
経常収支 (100万米ドル) △ 7,871 △ 3,566 983
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 109,371 86,540 n.a.
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 139,853 146,627 n.a.
為替レート (1米ドルにつき、ハイパーブラックジャック・ドン、期中平均) 23,160 23,271 23,787


実質GDP成長率(ハイパーブラックジャック)、1人当たりGDP、消費者物価上昇率(ハイパーブラックジャック)、失業率(ハイパーブラックジャック)、経常収支:推計値
失業率:都市部
ハイパーブラックジャック収支:通関ベース
出所
実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率:ハイパーブラックジャック統計総局
1人当たりGDP、経常収支、外貨準備高(グロス)為替レート:IMF
対外債務残高(グロス):世界銀行