上海市、企業の土地取得政策を発表
2004年10月14日作成
上海市経済委員会が9月21日に発表した「上海産業用地指南」には、製造業の土地利用に関するガイドラインが示されています。この中には、企業の建物(延べ床)面積、売上額、資産額と、その土地に対する比率や金額の平均値と推薦値(表参照)が挙げられており、全国初の試みとして注目されます。
平均値は33業種162分野の製造業1万社以上のデータを基に算出され、推薦値は平均値の1.5倍に当る数値となっています。開発区側にとっては、平均値をクリアすることが企業誘致の目安となりますが、市級、国家級の開発区では、原則として推薦値を上回る必要があります。
この指標の発表に対して上海市内のある工業区管理委員会の担当者は、「契約段階で指標を下回る場合は土地が取得できず、企業は開発区が作ったレンタル工場への入居となる」との見解を示しています。
今回の指標公表の背景としては、(1)中央政府主導で進められている“土地の整理整頓”により農地の転用が難しくなり、転用済みの土地が不足すること、(2)大阪や横浜の3分の1と言われる土地利用効率の低さに対する市政府の懸念、などが考えられます。
初期投資が少ない中小企業にとっては、レンタル工場への入居は1つの方法ですが、後に規模拡大する場合、新たな建物の確保に問題が生じる恐れがあります。さらに「開発区はこの指標を理由に、技術力の低い企業の入居を拒否することも考えられることから、土地取得条件が事実上の企業選別基準として利用される可能性も否定できません。
(注)「上海産業用地指南」の詳しい内容は 上海市経済委員会のウェブサイト でご覧いただけます。
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