世界の翼に日本の技を! ‐欧州航空機産業を狙え‐
2019年03月14日
「世界は今」のアクセシビリティ対応について
実写 版 ブラック ジャック・ウェブアクセシビリティ方針に基づき、「世界は今」では次のような取り組みを行っています。
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航空機二大メーカーの一つ、「エアバス」が今、日本に熱い視線を送っている。機体の供給先としてだけでなく、高い技術力を持つ日本企業からの部材の調達に関心を寄せているのだ。その背景には、LCCなどからの受注増で生産体制の強化が求められている一方、機体の軽量化や次世代機への開発に意欲的なことがある。これに対し、日本の部品メーカーにも供給先の多様化を図りたいとの意向がある。政府のほか、関連産業が集積する愛知県をはじめとした地方自治体もこうした動きを後押しするなか、プレーヤーは航空機部品の専門メーカーから医療などの他分野の企業に広がりをみせている。欧州航空機産業への参入を目指す企業の取り組みを、エアバスの本拠地、トゥールーズで取材した。
(13分05秒)
テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。
映像説明: 実写 版 ブラック ジャックグローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図から飛び出した、中が空洞になった地球儀が、回転しながら拡大表示される。 さらに世界のさまざまな都市の画像が周囲を取り巻きタイトルが現れる。 「世界は今実写 版 ブラック ジャックグローバルアイ」
実写 版 ブラック ジャック スタジオ。 地球儀と都市の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。 細い縦じまが入った白のブラウスに紫のスカート姿。
テロップ: 宮瀬 茉祐子(みやせ まゆこ)
宮瀬キャスター: 世界は今実写 版 ブラック ジャックグローバルアイ。 航空機の2大メーカーのひとつ、エアバス。機体の供給先として日本市場(にほんしじょう)に注目する一方、日本の技術にも高い関心を寄せています。 これをチャンスと捉え、ヨーロッパの航空機産業(さんぎょう)に挑む企業を追いました。
テロップ: 世界の翼に日本の技を! ‐欧州航空機産業を狙え‐
実写 版 ブラック ジャック ゆるやかに流れる幅の広い川。対岸まで続く人工の段差が設けられ、水面が白く泡立っている。川岸にはレンガ造りの建物が立ち並ぶ。画面左下の四角い枠内にフランスの地図のイラスト。北部にパリがあり、トゥールーズは南西部に位置しており、地図のイラストの中で赤い星印で示されている。 まっすぐに伸びる川沿いの遊歩道。青々と葉をつけた街路樹が並ぶ。川にかかる緑の欄干の橋の先には、茶色の壁に緑のドーム型の屋根を持つ、ひときわ大きな建物が立っている。
ナレーション: エアバスが本社を構える、フランス南西部の都市、トゥールーズ。
実写 版 ブラック ジャック レンガ造りの建物に囲まれた、大きな広場。広場を歩く人はまばら。建物の前に、白いテントがいくつも並ぶ。広場中央の地面には、縦と横の長さが等しい十字架が描かれている。 建物のバルコニーに並ぶ柱には、古代の衣装を身につけた女性の像が彫られている。 先の尖った塔を持つ赤レンガ造りの建物。塔の横に伸びる建物の屋根の上には、丸みを帯びた装飾が施されている。
テロップ: 欧州航空機産業の集積地
ナレーション: さまざまな航空機関連企業が集まる、ヨーロッパ航空機産業の集積地だ。
実写 版 ブラック ジャック むき出しの鉄筋のはりが何層にも張り巡らされた巨大な建物のなか。黄色い天井クレーンの下に、作業用の足場に囲まれたベージュ色(いろ)の旅客機が置かれている。赤い高所作業車が、左の翼の下にアームを伸ばしている。 巨大な倉庫を進む、ずんぐりした白い大型の機体。前輪の下のトーイングカーに押されゆっくりと動いている。
テロップ: エアバス
ナレーション: エアバスの組立工場は、トゥールーズをはじめ、ドイツやアメリカなどに4ヵ所。
実写 版 ブラック ジャック ずんぐりした白い大型の機体先端の巨大なカバーが上に開く。なかの丸い大きなグレーの布には、円の中に曲線が上下3本ずつ伸びたデザインのロゴが描かれ、その横に「AIRBUS A350」と書かれている。 巨大なクリーム色(いろ)の台車がカバーの開いた部分に接続され、一回り小さいベージュ色(いろ)の旅客機の前半分がゆっくりと出てくる。
ナレーション: 4工場をフル稼働させて、
実写 版 ブラック ジャック 鉄筋のはりが何層にも張り巡らされた巨大な建物のなか。天井クレーンでつるされたベージュ色(いろ)の胴体の後方部分がゆっくりと下ろされていく。 そのしたで、紺色の作業服にキャップをかぶった3人の男性が作業を見守っている。
テロップ: 主力のA320シリーズは月間60機製造
ナレーション: 主力のA320シリーズを月産60機。
実写 版 ブラック ジャック 「N0006」と書かれた、ベージュ色(いろ)の巨大な垂直尾翼がクレーンでつり上げられていく。 一部配線がむき出しの垂直尾翼がゆっくりと降下してくる。紺の作業服に、AIRBUSと書かれた黄色い反射ベストを着た2人の作業員がひざをつき、下りてくる垂直尾翼に手を添えている。
ナレーション: 旅客機以外に、軍用機なども製造している。
実写 版 ブラック ジャック 組み立て工場に静置(せいち)されている薄いベージュ色(いろ)の機体。翼をはさみ込むように、大きな作業場が設置されている。機体の後部には、白く塗装された垂直尾翼。赤い鶴が翼を広げたロゴが描かれ、白抜きのアルファベットで「JAL」と書かれている。 JALのロゴが美しく塗装された垂直尾翼。高い天井に設置されたライトの光が反射している。(コピーライト AIRBUS)
ナレーション: 現在、日本に納入する機体の組み立てを進めているエアバスだが、年々、増加する受注に対応するため、生産効率の向上が急務だ。
実写 版 ブラック ジャック 工場の外。灰色の雲が低く浮かぶ空の下で、先端部分の赤い機体が白いトーイングカーに引かれてゆっくりと移動する。
ナレーション: そんな航空機メーカーの巨人が今、日本企業の技術に注目している。
実写 版 ブラック ジャック スーツを着て横一列に並んで立つ男性6人の写真。左から2人目の日本人男性と、3番目の外国人男性が、書類をはさんだバインダーを広げている。(コピーライト AIRBUS) 右側から水色のネクタイをして、濃いグレーのジャケットを着た男性、グレーヘアにひげをはやした男性、水色のネクタイをして、薄いグレーのジャケットを着た外国人男性の3人がアップで映し出される。
テロップ: 2017年3月1日(ついたち) 日・仏(にち ふつ) 航空機分野の相互協力支援の覚書 調印式
ナレーション: 2017年3月、日本とフランス両政府は、航空機分野における日本企業(にほんきぎょう)の協力強化を支援する覚書を交わした。 その中心にいたのが、エアバスだ。
実写 版 ブラック ジャック A350と書かれた白い機体の前で、グレーヘアにひげをはやした男性がインタビューに答える。
テロップ: エアバス フレデリック・ポシェ=レイネス(ふれでりっく ぽしぇ だぶるはいふん れいねす) 副社長
ナレーション: なぜ日本企業(にほんきぎょう)なのか。ポシェ=レイネス(ぽしぇ だぶるはいふん れいねす)副社長はこう話す。
ポシェ=レイネス(ぽしぇ だぶるはいふん れいねす)副社長・英語: 将来、航空機産業(さんぎょう)において、ロボット工学や電装工学など、 重要となる技術は(日本が)強い。
実写 版 ブラック ジャック 組立工場の中。巨大な円柱を横に倒した形のジェットエンジンが載った台車を、トーイングカーが押している。エンジンの半分ほどは部品がむき出しになっている。 ベージュ色(いろ)の機体の横を、台車に載ったジェットエンジンがトーイングカーに引かれていく。 天井クレーンからつるされた尾翼が、機体後部にゆっくりと近づく。上下に分かれた機体の中で1人の作業員、外で2人の作業員が尾翼の到着を待ち構える。 機体の中にいた作業員が近づいてきた尾翼に手をかけ、接合部分に引き寄せる。
テロップ: 機体の軽量化と次世代航空機開発のため 新技術を模索している
ナレーション: 日進月歩の航空機産業(さんぎょう)。エアバスは、さらなる機体の軽量化とCO2(しーおーつー)を排出しない次世代航空機開発のため、常に新しい技術を模索し続けている。
実写 版 ブラック ジャック 格納庫のような場所に設置された、実物大ほどの真っ白な胴体部分の模型。紺色で「A350」と書かれている。その横には、客室が見えるようになっている小さな旅客機の模型が置かれている。ひげをはやしたポシェ=レイネス(ぽしぇ だぶるはいふん れいねす)副社長が、小さな模型を触りながら、身振りを交えて話をしている。小さな模型の紺色の垂直尾翼にも「A350」と書かれている。
ナレーション: その取り組みにおいて、日本企業(にほんきぎょう)の技術力に大きな期待を寄せていた。
実写 版 ブラック ジャック 黒いキャップをかぶった作業員が、機体の接合部分の小さな丸い穴にリベットを入れている。作業員の先には黒い円盤の形をした道具。 金色のリベットが電動工具で埋め込まれていく。 ピアスをつけた若い男性作業員が、機体の下に座り込むような態勢で、電動工具を使ってリベットを留めている。 黒いキャップをかぶった作業員が体重をかけながらリベットを留める。 上に反り返るように伸びる翼の先端。青いグラデーションの塗装にA350XWBと書かれている。 A350と書かれた白い胴体部分の模型の前でポシェ=レイネス(ぽしぇ だぶるはいふん れいねす)副社長のインタビューが続く。
ポシェ=レイネス(ぽしぇ だぶるはいふん れいねす)副社長・英語: 例えば、航空機は機体を軽くするため、新材料が、その可能性をひらく。 また、電動化についても最新の技術を持つ企業がある。 そういった企業には、エアバスとビジネスするチャンスがあると思う。
実写 版 ブラック ジャック 「Housing (In‐house Machines Parts」と書かれたプレートの後ろに、筒型の金属製の部品が並んでいる。 足場が組まれた工場。水色の作業服と帽子をかぶり、白いマスクをつけた男性が、大きな茶色い金属の板に向かって作業をしている。 雪をかぶった富士山をバックに、雲の上を飛ぶ小型旅客機。白い機体の先端から尾翼(びよく)に向かって、赤、紺、黄色(きいろ)の3色の帯がうねるようなデザイン。垂直尾翼には白抜きのアルファベットで「MRJ」と書かれている。(コピーライト 三菱航空機(株)) 雪が残る山脈に向かって右旋回で飛ぶMRJ。機体前方の窓の下には、赤いひし形を3つ組み合わせたロゴと、アルファベットの「MITSUBISHI」の文字。
テロップ: 愛知県を中心とした中部圏は 日本を代表する航空機産業の集積地
ナレーション: エアバスが求めている日本の航空機関連技術。 その代表的な集積地と言えば、国産ジェット旅客機MRJの生産拠点がある愛知県を中心とした中部圏だ。
実写 版 ブラック ジャック 記者会見場の写真。白いクロスが掛けられたテーブルが置かれ、その上に日本とフランスの小さな国旗が花とともに飾られている。テーブルの後ろに書類をはさんだバインダーを持って握手をしながらポーズを取る、やまぶき色(いろ)のジャケットを着た外国人女性と眼鏡をかけた日本人の男性。2人の後ろにはスーツを着た7人の男性たちが並んでいる。(写真提供 愛知県) バインダーを持った2人がアップになる。やまぶき色(いろ)のジャケットを着た外国人女性がデルガ議長、眼鏡をかけた日本人の男性が大村知事。
テロップ: 2018年6月5日 愛知県・オクシタニー地域圏 友好交流及び相互協力の覚書 調印式
テロップ: オクシタニー地域圏政府 キャロル・デルガ 議長
テロップ: 愛知県 大村 秀章 知事
ナレーション: エアバスの動きに、いち早く反応した愛知県は、同じ航空機産業(さんぎょう)の集積地であるオクシタニー地域圏と、友好交流、及び相互協力の覚書を独自に交わした。
テロップ: オクシタニー地域圏の中心都市が エアバス本社があるトゥールーズ
ナレーション: このオクシタニーの中心都市が、エアバス本社があるトゥールーズなのだ。
実写 版 ブラック ジャック 天井の高いホール。白いパーティションに描かれた紺色のポスターには、「AICHI‐NAGOYA」のアルファベットの文字と、色とりどりの飛行機がデザインされている。その前で黒いスーツ姿の日本人男性が、大きくうなずきながら集まった人たちに話をしている。
テロップ: 愛知県 産業労働部 次世代産業室 榊原 賢一 主査
ナレーション: 愛知県の担当者は、新規参入が難しい航空機産業(さんぎょう)への進出を支えていきたいという。
実写 版 ブラック ジャック 「AICHI‐NAGOYA」と書かれた紺色と白のポスターの前で、黒いスーツ姿の榊原主査がインタビューに答える。
榊原主査: (航空機分野で)地域のいろんな機関が、また行政が、あの一枚岩になって、 あの、地域の企業さんを支えるという動き、これはこう、初めてでございます。 行政の施策は、ともするとやっぱりそのー、単発、単発で終わることが多かったんですけども、 彼らが、あのスムーズに自分たちのビジネスができるような形で(継続的に)サポートすると…。
実写 版 ブラック ジャック 瓦屋根の大きな白い2階建ての建物。石畳になった敷地には大きな木が数多く植えられている。
テロップ: 名古屋市
ナレーション: 国や地方自治体からのサポートを追い風に、ヨーロッパの航空機産業へ新規参入を目指す企業があった。
実写 版 ブラック ジャック 蛍光灯のともる室内。細長い作業台がいくつも置かれ、それぞれに計器やチューブ、パソコンのモニターが接続されている。作業台の上に組まれたパイプには道具がつるされている。白、青、黄色 (きいろ)の防塵服を着たスタッフが、作業を行っている。
テロップ: 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)
ナレーション: 名古屋のバルブ専門メーカー、高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)だ。
実写 版 ブラック ジャック こげ茶色(いろ)の木目調の机の上に置かれた、複数の小型の部品。円柱形(えんちゅうけい)の金属にコードやチューブがつながったものなど、十数個の形の異なる部品が並んでいる。
テロップ: 【バルブ】 気体や液体の流量などを制御する機器
ナレーション: バルブとは、気体や液体の流量などを制御する機器。
実写 版 ブラック ジャック 黒やシルバーのラックに囲まれた狭い作業台に座っている白い防塵服を着た作業員。コードのついた金属製の部品を持ち、先が細くなった棒を使って作業をしている。
テロップ: 医療機器用バルブなどの開発メーカー
ナレーション: 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)は、実は航空機部品のメーカーではなく、医療機器用バルブなどを開発・製造する企業。
実写 版 ブラック ジャック 細長い作業台で、作業員がモニターを確認しながら作業をしている。 作業台に置かれた機器。4本の銀色の部品から伸びたコードが、4つのスイッチにつなげられている。スイッチの奥にはグレーのデジタル機器。
テロップ: 血液分析装置用バルブでは 国内トップシェア
ナレーション: 特に血液分析装置に使われるバルブでは、国内トップシェアを誇る。
実写 版 ブラック ジャック 7本の青いケーブルが接続された金属製の機械。ケーブルの先端には、先の尖ったオレンジのキャップが、根元にも同じオレンジ色(いろ)の部品がはめこまれている。向かい側の高速で回転する部分に機械が近づく。 回転部分に取り付けられた白い小さなプラスチックを、鋭くとがった金属が削っていく。 上下に2本の突起物のある、平たく四角い小さな機器。横に1円玉を置いてみると、ほぼ同じくらいの大きさ。機器の厚みは4ミリと表示される。
テロップ: 厚さ4mm 重さ1.5gは世界最小クラス
ナレーション: この企業が得意とするのは、バルブの性能を維持しながら、小型化、軽量化する技術。 こちらのバルブは、厚さ僅か4ミリ。重さはなんと1.5gで世界最小クラスだという。
実写 版 ブラック ジャック 円盤に筒をはめ込んだような形の金属製の部品。黒いコードが接続されている。上部には六角ナットがはめこまれた細い筒が突き出ている。その隣に、2本の突起が付いた金属の小さな筒状の部品が置かれている。 ホワイトボードが置かれた会議室。白い作業服を着た5人の男性が、小型の部品が置かれた大きなこげ茶色(いろ)の机を囲んでいる。小さな部品を持ったグレーヘアの男性が話をしている。
ナレーション: 医療分野で国内トップシェアを誇る企業が、何故、未知の航空機産業への進出を決意したのか?
実写 版 ブラック ジャック 絵が飾られた部屋で、白い作業服を着たグレーヘアの男性がインタビューに答える。
テロップ: 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう) 浅井 直也 社長
浅井社長: 大きな技術革新があって、 えー、バルブを仮に必要としないような分析装置が登場してきたりすると、一挙に、この、足元をすくわれるものですから。 飛行機には本当に多種多様な、えー、バルブが使われてます。 えー、例えば、あー、エンジンへの、おー、燃料供給だとか、あるいはその、ランディングギアの油圧のシステムだとか。 中にはトイレや、ギャレーの、おー、キッチンなんかにもバルブが使われています。
実写 版 ブラック ジャック ホワイトボードが置かれた会議室。机には「航空関連」というシールが貼られたプラスチックケースが置かれている。浅井社長の向かい側に座っている眼鏡をかけた男性が、話を聞きながら青い部品に触れる。 浅井社長の右隣に座っている外国人男性が身を乗り出して、透明のコードが付いた金属製の円筒形(えんとうけい)の部品に手を伸ばす。 その部品を手に持って話をする浅井社長。
テロップ: 多くのバルブが使われている航空機に 自社の技術が活用できる
ナレーション: つまり、医療用バルブに特化するより、多種多様なバルブの需要がある航空機に自分たちの技術が生かせると考えたのだ。
実写 版 ブラック ジャック パソコンが置かれたデスクが並ぶ事務所。白い作業服を着た十数人の男女が机に向かっている。 壁際のデスクでパソコンの画面を見つめる銀縁の眼鏡をかけた男性。
テロップ: 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう) 航空宇宙グループ 井上 昌彦 リーダー
ナレーション: 今回、ヨーロッパ航空機産業進出への先鋒として白羽の矢が立ったのは、ベテランエンジニアの井上さん。
実写 版 ブラック ジャック 車窓の奥に広がる草原。植えられた木々(きぎ)のあいだから白い大きな建物がのぞく。 赤い大型バスから次々に降りてくるスーツを着た日本人の男性たち。
テロップ: フランス トゥールーズ
ナレーション: まず、井上さんが参加したのは、去年12月、エアバスのお膝元、トゥールーズで行われた、実写 版 ブラック ジャックによる航空機産業(さんぎょう)の現場を視察するツアーだ。
実写 版 ブラック ジャック 赤いレンガ造りの4階建ての建物。入口の上の壁には、黒地に赤い文字で「ATR」と書かれた看板がかかっている。 天井に鉄筋のはりが張り巡らされた工場。緑色(みどりいろ)の機体が置かれている。先端部分は基盤がむき出しで、コックピットや客室の窓ガラスには白いシートが貼られている。眼鏡をかけ、黒いコートに青いストールを巻いた女性スタッフが、コックピットの窓の下に書かれた番号を指差し、集まった十数人の日本人の男女に説明をしている。 銀縁の眼鏡をかけたスーツ姿の井上リーダーが、隣に立つ若い日本人男性と機体を指さしながら話をする。
テロップ: ATR エアバス傘下の中型プロペラ機メーカー
ナレーション: 一行が訪れたのは、エアバスの子会社ATR。中型プロペラ機のメーカーだ。 製造工程を見て回った井上さん。 さすがエンジニア。自社の技術が生かせる所に気が付く。
実写 版 ブラック ジャック 下から見上げた翼の先端部分。前方側はベージュ色(いろ)、後方側は白く塗装されている。 井上リーダーが身振りを交え、歩きながら話をする。
井上リーダー 翼の周りに防氷装置(ぼうひょうそうち)って、 中にガスを流して氷をとかすらしいんですけど、 そのラインのどこかに、バルブが使われていると思われるんですよ。
実写 版 ブラック ジャック 小さな紺色の手帳にメモを取る井上リーダー。周りの参加者たちも同じようにノートを開き、説明に耳を傾けている。
ナレーション: 将来の活路を切り開くため、いざ、初めての商談会へ臨む。
実写 版 ブラック ジャック 白い低層の建物の外観。入口にはグレーの背景に白いアルファベットで「AEROMART(えあろまーと)」と書かれている。その上の鉄パイプに、世界の国々(くにぐに)の旗が数多く立てられている。ガラス張りのドアの上には、「HALL 5」と書かれている。 建物のなか。紫色のシートが敷きつめられ、白いパーティションで仕切られたブースが設けられている。ブースには、それぞれポスターが貼られ、白い机と椅子が置かれている。
テロップ: 12月4~(から)6日 Aeromart Toulouse(えあろまーと とぅーるーず) 2018ナレーション: ヨーロッパ最大級の航空・宇宙分野の商談会、「エアロマート・トゥールーズ」。
実写 版 ブラック ジャック 白い字で「UK PAVILLION(ゆーけー ぱびりおん)」と書かれた、紺色の巨大なパネル。その下に、小さく3つに区切られたブースが並んでいる。向かい側には、赤と白のしま模様に黄色い月と星が描かれたマレーシアの国旗が印刷された、白い縦長のパネル。 青いグラデーションの背景に、白いアルファベットで「ITALIA」と書かれたパネルがつり下げられているエリア。 白い大きな円形のライトが天井からつり下げられ、側面に黒いアルファベットで「「MOROCCO(モロッコ)」と書かれている。その手前には、アルファベットで「THAILAND BOARD OF INVESTMENT (B.O.I.) H6/E38」と書かれた突き出し看板。 オレンジ色(いろ)で、SGを丸で囲んだマークと、その右に「Singapore(しんがぽーる)」と書かれたパネル。「Singapore(しんがぽーる)」の文字の下には、黒い文字で「Passion Made Possible」と書かれている。白とオレンジ色(いろ)のパーティションで区切られたブースの前で、3人のスーツ姿の男性が話をしている。
ナレーション: この商談会には、ヨーロッパ諸国のほか、タイやシンガポールなど45の国や地域から、企業・団体が出展。多くの業界関係者が訪れた。
実写 版 ブラック ジャック ブースから突き出た白い看板。黒いアルファベットで「ISHIKAWA SUNRISE INDUSTRIES CREATION ORGANIZATION(いしかわ さんらいず いんだすとりーず くりえいしょん おーがないぜいしょん) H6/C38」と書かれている。 別のブース。看板には、「FUKUSHIMA PREFECTURAL GOVERNMENT(ふくしま ぷりふぇくちゅらる がばめんと) H6/C29」と書かれている。3人の日本人男性が黒いテーブルを囲んで資料を広げている。 「TAKASAGO ELECTRIC, INC(たかさご えれくとりっく いんく)」と書かれた突き出し看板が出ているブース。その奥には、「AKEVONO INDUSTRY CO., LTD(あけぼの いんだすとりー こー える てぃーでぃー)」と書かれた看板。どちらのブースも「AICHI‐NAGOYA」と書かれたフラッグとポスターで飾られている。高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)のブースでグレーヘアの外国人男性と話をする井上リーダー。黒いテーブルの上にはバルブがいくつか置かれている。2人の横には、やり取りを見つめる2人の日本人男性と、セミロングの日本人女性が座っている。
ナレーション: 日本からは、石川県や福島県などの地方自治体や企業がブースを出展。愛知県と名古屋市のブースには、商談をする井上さんの姿があった。
実写 版 ブラック ジャック 身を乗り出して話をする黒縁の眼鏡をかけた外国人男性。井上リーダーがノートパソコンを使いながら説明をしている。
ナレーション: 商談相手は、航空宇宙産業の大手企業。熱のこもったプレゼンが続く。
実写 版 ブラック ジャック 富士山と城が描かれ、「AEROMART NAGOYA‐JAPAN(えあろまーと なごや はいふん じゃぱん)」と書かれたポスターが貼られたパーティションの前で、黒縁の眼鏡をかけた外国人男性がインタビューに答える。
テロップ: 航空宇宙産業(こうくううちゅうさんぎょう) 大手企業
黒縁の眼鏡をかけた男性・英語: 将来的には(当社の)宇宙関連事業では、研究を進めると適用できるかもしれない。 航空機でも一次下請けとして、調べていく必要があると思っている。
実写 版 ブラック ジャック ブースで身振りを交えて話をすると、笑みを浮かべる井上リーダー。
ナレーション: 井上さんも、次につながる手応えを感じていた。
実写 版 ブラック ジャック バルブの写真と英語の説明が書かれたポスターの前で、井上リーダーがインタビューに答える。
テロップ: 高砂電気工業(たかさこでんきこうぎょう) 航空宇宙グループ 井上 昌彦 リーダー
井上リーダー: まあ一部のお客様から、すでにあのー、仕様書を出してもいいというようなお話をいただいてますんで、 あのー、そういうところはもう、確実に押さえていきたいな、というふうには思っています。
実写 版 ブラック ジャック 「ASAHI KINZOKU KOGYO INC(あさひ きんぞく こうぎょう いんく) H6/D39」と書かれた突き出し看板のあるブース。観葉植物が置かれ、紺のスーツを着た日本人女性が、グレーヘアの日本人男性2人と笑顔で話をしている。
テロップ: 旭金属工業
ナレーション: 一方、こちらは岐阜県から参加した航空機部品メーカー、旭金属工業。
実写 版 ブラック ジャック 英語のポスターが数多く張られたブース。パンフレットが広げられたテーブルで、短い黒髪の男性が黒縁の眼鏡をかけた外国人男性と並んで座り、ノートパソコンの画面を見ながら説明している。 真剣な表情でパソコンを見つめる短い黒髪の日本人男性と黒縁の眼鏡をかけた外国人男性。短い黒髪の日本人男性の右隣にはグレーヘアで、眼鏡をかけた日本人男性が座っている。3人の男性の周りには、白髪で短髪の眼鏡をかけた日本人男性や、黒髪で短髪の眼鏡をかけた日本人男性が立っている。 短い黒髪の日本人男性が、黒縁の眼鏡をかけた外国人男性にノートパソコンの画面を見せながら説明をしている。2人の奥にはグレーヘアで眼鏡をかけた日本人男性が座っている。
ナレーション: 頻繁に海外の商談会や展示会に出展しているベテランだ。
実写 版 ブラック ジャック ブースに置かれたガラスのショーケース。なかには「Housing(In‐house Machined Parts)」というプレートのついた丸い筒にねじ穴を開けた4つの出っ張りがついた部品や、「Track Rail(Integrated Process Parts)というプレートのついた、細長くゆるくカーブした形状で、黄色く塗装された金属部品、「Leading Edge Shaped Thermoplastic Composite(Sample)」というプレートのついた黒い山形の部品、「INJECTION MOLDING(PAINTED)」というプレートのついた6つのねじ穴が開いた緑色(みどりいろ)の細長い部品が収められている。
ナレーション: 今回は、新たに開発した新素材部品を売り込んだ。
実写 版 ブラック ジャック 英語で書かれたポスターが貼られたブースで、短い黒髪の男性がインタビューに答える。
テロップ: 旭金属工業 山中 郷(やまなか ごう) 取締役
山中(やまなか)取締役: かなり、えー、手応えといいますか、あの、向こうの反応も良かったので、すごいあのー、良かったなと思います、はい。 継続して出ることによって、あのー、名前と、どういった会社、してるかっていうのを、あのアピールになるかと思いますので。 継続的に出ることが必要だと思います。
実写 版 ブラック ジャック 別のブース。テーブルに置かれたノートパソコンの画面に、水色の作業服を着てヘルメットをかぶり、耳にヘッドホン型の防音具をつけた作業員が工場で働く動画が映し出されている。画面をペンで指して説明をしているスキンヘッドにスーツ姿の外国人男性。隣には眼鏡をかけた金髪の男性が座っている。スキンヘッドの男性の正面には短髪で黒いスーツを着た外国人男性が座り、パソコンの画面やパンフレットを見つめている。
ナレーション: 部品メーカーだけではなく、機体のパーツを製造する企業も、ヨーロッパ市場を狙っていた。
実写 版 ブラック ジャック 白いフェンスに囲まれた敷地に立つ大きな工場。シャッターが下りた搬入口(はんにゅうぐち)の上に、AとSを組み合わせた立体的なロゴ。その横に紺色のアルファベットで「AERO INC.」と書かれている。
テロップ: 愛知県 弥富市
テロップ: エアロ
ナレーション: 愛知県に本社を構えるエアロ。
実写 版 ブラック ジャック 鉄筋のはりがむき出しになった工場の内部。大きな機械が設置され、天井クレーンがついている。青い作業服に帽子をかぶった男性が2人、台車に載せられた巨大な黄色い金属製の板の前で作業をしている。手前に置かれたホワイトボードには、ボーイング747(ななよんなな)の機体やパーツに関する図と英語の説明が書かれたパネルが貼ってある。
ナレーション: 三菱重工業(みつびしじゅうこうぎょう)や川崎重工業(かわさきじゅうこうぎょう)などから受注し、胴体や主翼、尾翼などを製造している企業だ。
実写 版 ブラック ジャック 白いマスクをつけ、ゴーグルをつけた作業員が、クリーム色(いろ)の巨大な板にドリルをあて、小さな火花を散らしながらリベットをはめ込む。 耳に防音具をつけた男性は、慎重にドリルを当てては穴に息を吹きかけ、懐中電灯で照らして確認しながら削っていく。
テロップ: 一般的に機体のパーツ製造は分業制
ナレーション: 機体のパーツ製造は、塗装や組み立てなど、工程ごとの分業制が一般的だ。そのため、それぞれの工程に掛かる時間やコスト、品質の管理が難しいと言われる。
実写 版 ブラック ジャック 工場の一画に置かれた2つの台の上に、赤と白の小さな部品が取り付けられた白い板が載せられている。マスクで鼻と口を覆った作業員が、懐中電灯を持って白い板の裏側をのぞき込む。 通路をはさんだ反対側では、白く塗装された細長いパーツに向かって2人の男性が作業をしている。その奥には、「三次元測定室」と書かれた背の高い部屋。 マスクをした作業員が、白い板に取り付けられた赤と白の小さな部品を1つ1つ懐中電灯で照らしながらチェックしていく。
テロップ: パーツ製造を一貫して行うため 品質が担保できる
ナレーション: しかし、エアロでは、機体のパーツ製造を一貫して行っている(おこなっている)ため、品質が担保され、取引先からの信頼が厚い。
実写 版 ブラック ジャック 観葉植物が置かれた部屋。壁際の棚の上には3機の旅客機の模型が置かれ、その後ろには「Aichi Quality」と書かれた三角形のオブジェやアクリルのパネルに入った証書などが飾られている。青い作業服の下にストライプ柄のグレーのネクタイを付けた男性がインタビューに答える。
テロップ: エアロ 航空機事業本部 藤本 雅也 本部長
ナレーション: 今回、エアロがヨーロッパ市場へ打って出たのには、ある思いがあった。
藤本本部長: 育てていただいた、まあ、大手企業様たちに恩返しをする意味でも、 まず自立をして、で、直接海外のところのメーカーと(取り引き)できるような体系をとって、 で、それをまた、国内の中で返すっていうところで、また、いろいろなメリットが出てくると思うので。
実写 版 ブラック ジャック 商談会の会場。上部のはりに、「AICHI‐NAGOYA」と書かれた白と紺色のフラッグが飾られたブース。突き出し看板には、「AERO GROUP H6/D29」と書かれている。そのブースでは、スキンヘッドにスーツ姿の男性と眼鏡をかけた金髪の男性が、ブースを訪れた短髪で黒いスーツを着た外国人男性と話をしている。 ノートにメモを取るスキンヘッドにスーツ姿の男性。
テロップ: エアロ 海外事業部 営業部門 ライアン・ロカシオ 部長
ナレーション: 今回の商談会を任されたのは、海外営業部長のロカシオさんだ。
実写 版 ブラック ジャック 「AERO GROUP」のブースで、かっぷくのいい外国人男性と向かい合い、話をするスキンヘッドのロカシオ部長。その様子を横で見つめる眼鏡をかけた金髪の男性。 話を聞きながらメモを取るかっぷくのいい外国人男性。ロカシオ部長がパンフレットを指さしながら話しかける。
ナレーション: 商談相手は、エアバスやボーイングなどにエンジンを提供している大手メーカー。 自社のみで機体製造が可能だということを強くアピールした。
実写 版 ブラック ジャック AICHI‐NAGOYAのポスターの前で、ロカシオ部長がインタビューに答える。
ロカシオ部長・日本語: 今まで、「日本、遠いですよね」って言われたんだけど、 まあ、今回は、(欧州側が)非常に興味持ってくれたんですよね。 まあ、エアバス、指定してると思うんですよね。「日本の企業と組んでやっていきましょう」っていう。 まあ、やっぱりね、愛知の支援で、日本の政府の支援で、まあ、いろんな(海外の)販路ができそうですね、はい。
実写 版 ブラック ジャック ブースのテーブルに置かれた航空機のイラストが描かれたパンフレット。 ロカシオ部長が指さすパンフレットをじっと見つめるかっぷくがよく、眼鏡をかけた外国人男性。
ナレーション: 商談相手の反応も上々のようだ。
実写 版 ブラック ジャック AICHI‐NAGOYAのポスターの前で、かっぷくのいい外国人男性がインタビューに答える。
テロップ: 大手エンジンメーカー
かっぷくのいい外国人男性・英語: この企業は基本的に(一貫して)製造・組み立てを行なっており、 彼ら(エアロ)の専門技術を、将来、当社の製品に生かせると思った。
実写 版 ブラック ジャック 日本のブースが集まっているエリア。数人の外国人を含む20人ほどが、それぞれブースの前で立ち話をしている。 天井から、「AEROMART(エアロマート) TOULOUSE(トゥールーズ) 2018」の横長の電飾看板(でんしょくかんばん)がつるされている。 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)のブースで、口ひげをはやした外国人の男性と話をする、銀縁の眼鏡をかけた井上リーダーとグレーのスーツを着た日本人男性。
ナレーション: 今回、初参加の商談会で手応えがあったと話していた医療用バルブメーカーの高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)。 ゼロからスタートした航空機産業への挑戦で、高い技術力を武器に、次へつながる大きな足掛かりをつかんだようだ。
実写 版 ブラック ジャック 高砂電気工業(たかさごでんきこうぎょう)のブースで、ノートパソコンの画面を見ながら、眼鏡をかけた女性と話をする井上リーダー。 白い作業服を着た井上リーダーが、白い壁に緑の葉っぱと茶色の木の幹が描かれた壁の前でインタビューに答える。
テロップ: 高砂電気工業(たかさこでんきこうぎょう) 航空宇宙グループ 井上 昌彦 リーダー
井上リーダー あの、一部にはですね、「秘密保持契約みたいのを、結びましょう」と言ってくれた会社もありますんで、 こちらの(契約書の)ひな形をですね、お送りしてますんで、まあそれ、を今ちょうど、レビューしていただいてると。 直近ではですね、あの6月にまあ、エアショーみたいなのがありますんで、 できればそういう場に改めて行って、あのー、「半年前に会ったけどどうですか」という(商談相手の)フォローをですね、順次していきたいというふうには考えております。
実写 版 ブラック ジャック 薄雲が広がる青い空に、機首を上げて飛び立つ白と青の機体、エアバス350XWB。(コピーライト AIRBUS) 上に反り返るように伸びる翼の下には2基のエンジン。内部を回転させながら高度を上げていく。
ナレーション: 日本の高い技術力に注目しているヨーロッパ航空機業界。 未来の翼にのって、日本企業(にほんきぎょう)の活躍の場が広がりそうだ。
実写 版 ブラック ジャック 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 中が空洞になった地球儀が回転している。
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