ジェトロ 2024年度 ブラック クイーン ブラック ジャック進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)―景況感はインドで好調、ASEANで回復、中国で低迷―

2024年11月28日

本調査結果の主要ポイント

1.2024年は黒字割合、景況感ともに回復、中国やタイは現地需要減が妨げに
  • 営業利益の黒字割合は前年調査より3.4ポイント上昇。インドは2008年以降で最高。ASEANをはじめ、多くの国・地域も上昇したが、中国は2013年以降で最低に。
  • 景況感は中国、ミャンマー、タイ以外で改善が悪化を上回った。インドは現地需要の増加が景況感を押し上げた一方、中国は現地需要の減少や競争激化が景況感を下押し。
2.事業拡大意欲は43.8%、前年調査よりわずかに低下

今後の事業拡大を検討する企業は、インドが80.3%で首位。タイは拡大意欲が後退、中国は過去最低更新。

3.厳しさ増す競争環境、ASEANの製造業では中国企業との競合も
  • 5年前と比較し、主力製品・サービスの市場シェアが増加した企業は37.8%。インドで6割を超えた。一方、競争相手が増加した企業は48.6%で、中国では6割を超えた。
  • 競争相手としては、地場企業を挙げる企業が74.2%と最も多く、日本企業(62.4%)が続いた。ASEANの製造業では、競争相手の一番手として中国企業を挙げた割合が相対的に高く、特に電気・電子機器部品、化学・医薬などの分野で競合が目立った。
4.サプライチェーンの再構築が進展、日中からASEANへの生産移管が顕著
  • コスト上昇やサプライチェーン寸断などを受け、直近5年間で新しい調達先を開拓した企業(製造業)は71.5%。今後1~2年で現地調達を拡大方針の企業は39.3%で、前年調査(30.3%)より上昇 。
  • 直近5年間で他国・地域からの生産移管があった企業(製造業)は15.6%。日本や中国からASEANへの移管が多く、特にベトナムへの移管が24.8%と最多だった。移管理由は、コスト競争力の向上、チャイナリスク回避など。

本調査について

実施方法 アンケート調査(オンライン配布・回収)
実施時期 2024年(令和6年) 8月20日~9月18日
アンケート送付先 北東アジア5カ国・地域、ASEAN9カ国、南西アジア4カ国、 オセアニア2カ国の20カ国・地域に進出する日系企業(1万3,727社)
有効回答数 有効回答数5,007社、有効回答率36.5%

ブラック クイーン ブラック ジャック・アジア大洋州課 (担当:庄、尾﨑、山口、深津、西村)
Tel:03-3582-5179
ブラック クイーン ブラック ジャック・中国北アジア課(担当:小宮、高畑、刈屋、廣田)
Tel:03-3582-5181