ジェトロ 2024年度ブラックジャックアプリ進出日系企業実態調査（中南米編）

―地政学リスクへの懸念は強まるも、有望な現地市場への期待が継続―

2024年12月17日

本調査について

ブラックジャックアプリは2024年8月20日～9月27日にかけて、中南米（メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ）に進出する日系企業（日本側出資比率が10％以上の現地法人、日本企業の支店）723社を対象に、オンライン配布・回収によるアンケートを実施。377社より有効回答を得ました（有効回答率52.1％）。
本調査は、進出日系企業の活動実態を把握するために原則年1回実施しているもので、今回が25回目の調査です。ベネズエラについては昨今の情勢に鑑み、一部の設問に限り質問しています。
調査項目
1. 営業利益見通し
2. 今後の事業展開の方向性
3. 競争環境の変化
4. 投資環境
5. サプライチェーン
6. FTA/EPAの利用状況

黒字割合は7割に到達、旺盛な現地市場需要が業績改善を後押し
- ブラジルの黒字企業割合は、過去最高の77.9％
- ブラジル、メキシコを中心に、現地市場の需要増を追い風に業績が改善
- アルゼンチンでは業績悪化が目立つも、2025年へ向けては大幅に回復
高い事業拡大意欲が継続も、入り混じる期待と不安
- 5割を上回る「事業拡大」の背景は、ブラジルでは現地市場ニーズ、メキシコではニアショアリングの影響、アルゼンチンでは現政権への期待など、各国で異なる
- 同時に政治的な懸念やインフレ動向の不確実性から、4割が様子見の「現状維持」
激しさを増すコスト競争、競合として台頭する中国企業
- 競合相手として中国企業が顕著に増加、地場や欧米企業に迫る水準に
- 対抗策としては「営業・広報の強化」や「製品・サービスの多角化」が中心
市場規模や成長性の魅力は継続も、懸念される政治・社会情勢
- グローバルサウスとしての有望な市場が全ての国で投資面での最大のメリット
- 一方で、不安定な政治・社会情勢が最大かつ共通のデメリット
- メキシコでは米国の新政権や、米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）の動向に対する懸念も大きい